初の3連勝で1次リーグ(L)A組首位に立ち、8強進出に王手をかけた日本代表は6日、愛知・豊田市から都内へ移動した。一夜明け会見に出席したSH田中史朗(34)=キヤノン=は、1次L最終戦のスコットランド戦(13日・横浜)のカギに「反則を減らすこと」を挙げた。サモア戦では反則10、PG4本を与えたことを反省。クリーンに戦い勝利で8強を決める。

 終了間際の劇的なトライでボーナスポイント(BP)を獲得した勝利から一夜明け、豊田市内の宿泊先には2時間以上も前からファンが集まり、約100人に見送られた。名古屋駅でも歓迎され新幹線へ。東京駅では第2戦アイルランド戦の時と同じく構内に花道ができ、丸の内口でバスの出発を見送るファンは倍以上の約500人にふくらんだ。選手はバスの窓から笑顔で手を振り、終始リラックスした様子。SH田中も「今日もたくさんの人が応援に来てくれて本当にありがたい」と感謝したが、心はすでに次戦へ向かっている。

 サモアには力の差をみせた勝利ではあったが、反則が10を数え4PGで計12点を失った。ロシア戦では5、アイルランド戦は6と少なかった。スコットランドにはキックの名手SHグレイグ・レイドロー(33)が控える。同じ1985年生まれの田中は「いいキッカーなので、そこ(反則)から3点を失うと相手にリズムを渡してしまう」と警戒する。

 “天敵”は前回W杯ではベスト15に選ばれ2大会通算7試合出場94得点。今大会は1トライ、2ゴール、2PGを決めキック成功率は100%と好調だ。反則で相手に流れを渡しては、勝機を逃しかねない。

 規律順守は宮崎、網走合宿から常に意識してきた。スクラム時など相手や審判の判断が絡む反則は防ぐのが難しい面もあるが、相手にPKを与えるオフサイドは「個人の意識の問題」として厳しく注意し合ってきた。34歳のBK最年長は7日から再開される練習で再度「『ノーオフサイド、ノーペナルティー』とかを口に出してやっていく」ことを掲げた。

 リーチ主将が「ボコりたい」と雪辱を期すスコットランドは、前回15年大会は中3日で対戦し10―45で大敗。BPの差で決勝トーナメント進出を阻まれた因縁の相手。16年6月の2連戦でも歯が立たなかった。ただ田中は「前回のことを意識し出すと個人の感情が入る。今まで通りチームとして戦うこと。何か変えるといい流れがなくなる」と警鐘を鳴らす。王手をかけた状況も「3勝は忘れて次の一戦を全力で」。基本に立ち返り、目の前の試合に集中することが、史上初の8強への近道になる。(大和田 佳世)