オリックス・T-岡田外野手(31)がFA宣言せずに残留することが6日までに明らかになった。ここ2年、満足な結果を残せず他球団の移籍を含めたFA権行使を熟考してきたが、「残留することに決めました」と決断した。

 T-岡田の残留の決め手となったのはファンの声だった。9月29日、今季最終戦となったソフトバンク戦(京セラドーム)に緊急昇格。試合開始直前に駆けつけると七回に代打で登場。この際の大歓声が揺れる心をグッと残留へと向かわせた。

 「まさかあんな大歓声をもらえると思っていませんでした。感動しました。ファンのみなさんには本当に感謝しかないです」

 プロ14年目で初めて他球団の移籍を真剣に考えた。自分への歯がゆさが原因だった。今季はわずか20試合の出場にとどまるなどここ2年は輝きを失っていた。ファームで調整する中で「一生懸命、練習している育成の選手を見ていると若い子のチャンスを自分が奪っていいのかと考えるようになりました」と話した。ここまで育ててくれたチームへの愛が強過ぎるからこその悩みだった。

 苦しむT-岡田に手をさしのべたのが福良GMだ。プエルトリコのウインターリーグ派遣など再生プランを提示された。来季年俸も単年、複数年の2パターンを用意し、引き留めてもらった。

 「ありがたかったです。それに甘えていいのかという葛藤もありました」

 大歓声を受けてついに決断した。月末にはプエルトリコでの武者修行に出る。帰国予定は年末。約2カ月異国の地でメジャーリーガーらとの真剣勝負を行い、さび付いたバットに再び磨きを掛ける。

 そして、来季こそ心を動かしてくれたファンの大歓声に応えてみせる。