プロ野球で唯一の400勝を達成するなど史上最高の左腕投手と呼ばれ、ロッテで監督も務めた金田正一(かねだ・まさいち)さんが6日午前4時38分、急性胆管炎による敗血症のため東京都内の病院で死去した。86歳。愛知県出身。デイリースポーツの元ロッテ担当・三上元泰記者が金田さんの死去を悼んだ。

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 カネやんと私の接点は1991年、金田正一氏の監督としての晩年であり、ロッテが川崎球場を本拠地としていた最後の年だった。

 短期間ながら思い出は多く、その代表的なものは、何といっても「トレーバー・キック事件」。同年5月秋田市営八橋球場での近鉄戦で起きた乱闘事件で相手チームの外国人選手の顔を2度もキックしたとされる、プロ野球ニュースでおなじみの球史に残る?乱闘シーンだ。カネやんは試合後、「選手を守るのはワシの務めや」と胸を張っていたのはある意味痛快でもあった。

 何かと怖いイメージが先行しがちだが、普段は人情家の一言。その年の秋、私がカネやんの解任報道を飛ばし気味に記事にすると(結果は正解だった)、グラウンドで私を見つけ「お前はもう記事を書くな!」と一喝。だが、数日もしないうちに他の担当記者と一緒に「おい、飯食いに行くぞ」と誘ってくれ、「ワシも潮時かな」と本音をポツリ。さすが400勝投手、相手の胸倉へストレートを投げ込んだり、懸河のドロップカーブのように記者たちをほんろうしていた。

 そんなカネやんがユニホームを脱いでから数年がたち、当時芸能担当だった私を見つけると「おい久しぶりやな。芸能担当はお前に合ってるな」と一言。私が「どういう意味ですか」と返すと、「ガハハ…おい飯食ったか」と相変わらずの変化球。この関係はいつまでも変わりませんね、ネエ監督…合掌