今季国内FA権を取得した広島・会沢翼捕手(31)が5日、マツダスタジアムを訪れ、公式戦全日程終了後初の交渉に臨んだ。すでにシーズン中から複数回にわたって交渉を行っているが、鈴木球団本部長は「途中経過は話さない」と説明した。球団は全力で慰留する方針を打ち出しており、球界屈指の「打てる捕手」の動向に注目が集まる。

 選手会長らしく誠実な態度で報道陣に対応した。昼下がりのマツダスタジアム。会沢は「球団ともいい話し合いをさせてもらっています。なるべく早く、決められたらいいと思います」と、注目される国内FA権の行使について言及した。

 9月30日にCS進出を逃してから、初めて公の場に姿を見せた。「今日も話させていただきました」と明かしたように、交渉はすでにシーズン中から複数回にわたって行われている。この日も鈴木球団本部長と話し合い、交渉の内容については「後々しっかりしゃべります」と話した。

 リーグ奪回を目指すチームにとって、会沢は欠かせぬピースだ。今季は自己最多126試合に出場し、打率・277、12本塁打、63打点。プロ13年目で初の規定打席に到達し、キャリアハイの104安打を放った。勝負強い打撃でクリーンアップも任され、日本球界屈指の「打てる捕手」として、不動の地位を築き上げた。人望も厚く、17年オフに選手会長に就任。リーダー、精神的支柱としてチームを引っ張ってきた。

 この秋も侍ジャパンのメンバーに選出されるなど、他球団にとっても魅力的な存在だ。FA宣言すれば、複数球団による争奪戦に発展する可能性が高い。

 この日、鈴木本部長は「途中経過は話しません。交渉中です」と話すにとどめた。しかし、会沢が国内FA権の資格条件を満たした5月7日には「大事な選手。チームの中心なのは間違いない。(残留すれば)これからも10年以上、正捕手は安泰。40(歳)までやってもらいたい」と慰留に全力を尽くす方針を示していた。

 今後、FA権を行使する場合は日本シリーズ終了翌日から土、日、祝日を除く7日以内に表明。「FA宣言選手」として公示された翌日からすべての球団と交渉が可能となる。

 球団は4日に佐々岡投手コーチへ新監督就任を要請。週明けにも正式発表される見通しで、9日からは秋季練習も始まるが、会沢の動向次第ではチームの屋台骨も揺るがしかねない。鯉党にとっても今オフ最大の関心事が本格的に動き出した。