Jリーグのジャッジは「クロ」だった。曹監督による数々のパワハラ行為を認定し、18ページに及んだ調査報告書には「死んだ方が楽だと思うことすらあった」「ベルマーレに来たことを心底後悔している」などという被害者のコメントも記載された。自粛期間で消化したとみなされた「公式戦5試合の出場資格停止」という処分に是々非々はあり情状酌量も見え隠れしたが、村井チェアマンは「十分に重い処分」とした。

 時間こそかかったが、Jリーグは匿名の通報でありながら重大性を認知し、名ばかりの「第三者委員会」ではなく弁護士団に調査を託した。残るはクラブの対応だ。調査報告書は「曹氏の言動を事実上容認していた結果、多くの関係者が理不尽な目に遭い(中略)社会的非難を受け得る状況を招いた。フロント幹部の責任は重い」としている。

 しかし、クラブ側は同監督の進退を保留。幹部陣の経営責任についても明言せず「グレー」の姿勢を貫いた。パワハラ行為が認定された監督を、そのまま据え置こうしているとも取れる。曹監督の“ブレーキ役”になれなかっただけでなく、すでにJリーグから調査を行う旨の通達が届いていたにもかかわらず、本紙の取材に対して調査がある事実を否定するなど、初動対応でも後手に回っていた。チームは残留争いの真っただ中。事態を沈静化し、試合に集中する環境を整えるためにも、これ以上の“保留”は許されない。