広島・佐々岡真司投手コーチ(52)が新監督に就任することが4日、確実となった。マツダスタジアムで鈴木清明球団本部長(65)から正式要請を受け、受諾する方向だ。早ければ週明けにも発表される見込み。かつてエース、守護神として通算100勝100セーブを記録した男が、球団では1967年の長谷川良平監督以来となる投手出身の指揮官として、Bクラスに転落したチームを救う。

 秋晴れの下、佐々岡投手コーチの顔に覚悟がにじんだ。午前11時半頃、球団事務所から姿を見せ、「要請はありました。前向きに考えています。時間はかからない。自分だけでは決められないので、家族と話します」と新監督就任へ意欲を示した。

 1日の緒方監督の辞任から、スピード決着となった。コーチ面談に訪れた2日は「(ポストの要請は)ない」と話していた。この日は午前10時に私服姿で球場入り。「忘れ物を取りに来た」と笑いを誘っていたが、鈴木球団本部長の「来季監督をやってくれないか」という言葉に、心を揺さぶられたようだ。

 実績は申し分ない。現役時代は広島のエース、守護神として、通算100勝100セーブも記録。2007年に現役を引退し、14年オフに2軍投手コーチに就任。薮田、アドゥワ、山口、遠藤ら若手を育て、19年から1軍コーチに昇格していた。

 今年は春季キャンプから「先発10人構想」を掲げ、投手王国の復活を目指した。中崎、一岡ら、リーグ3連覇を支えたブルペン陣の蓄積疲労で、勝ちパターンの継投の構築に苦しんだ。その中でもチーム防御率は昨季の4・12からリーグ2位の3・68に良化。CS進出こそ逃したが、2年目の山口、遠藤が1軍で躍動。9年目の苦労人・中村恭もブレークを果たすなど1軍コーチとして後押しした。

 手腕に対する期待も大きい。鈴木球団本部長は「選手を見る目はある。人柄も言うことはないし、ピッチャーとしての能力も高い。投手陣を底上げしてもらいたい」と太鼓判。松田オーナーも「独特の人柄がある」と話し、「優勝争いをして、Aクラスに入ってほしい」と来季へ期待を込めた。

 早ければ週明けにも正式発表される見込みだ。リーグ3連覇を果たしたチームは過渡期を迎えている。それでも「育てながら勝つ」というチーム方針は変わらない。カープの伝統を踏襲し、指揮官として難題に挑む。