Jリーグは4日、湘南ベルマーレの曹貴裁監督による選手らへのパワハラ疑惑に関する会見を都内で行い、パワハラの事実があったとの調査結果を発表した。

調査報告書に記載された、主な曹氏の言動は以下の通り。

・15年または16年頃、ある選手が他の選手と交錯して脳振とうになり、病院で診察を受けた。4日、5日休養した後、当該選手が練習を再開したところ、曹氏は練習試合に出るよう指示した。当該選手が「今日は頭がくらくらする」などと述べ、メディカルスタッフも当該選手の状態を伝えたが、曹氏は指を折って日にちを数えながら「いや、もう大丈夫なはずなんだけどな。結構たっているだろう」「いいからとりあえずやれ」「頭に(ボールが)来たら全部よけていいから、やれ」などと発言した。当該選手は断ることができず、指示通り練習試合でプレーした。

・16年夏頃、ウオーミングアップ担当コーチのやり方に不満を抱いていた曹氏は、同コーチに代わって自らコーチ役となり、同コーチに選手役をさせた上で、同コーチの胸ぐらをつかんで壁に勢いよく押しつけ、「なんで(アップを)やらないんだ!」などと怒鳴りながら、顔に手を当てて床に押し倒した。このやりとりを近くで見ていた関係者らは、曹氏が当該コーチを「何発か殴った」「ビンタした」などと述べている。

・18年4月ごろ、ホームでの公式試合のハーフタイム中、前半のプレーが精彩を欠いたと曹氏が感じた選手に対して「チームのガンだ。他にうつるから出て行け!」などと怒鳴った。当該選手がロッカールームから出ていかなかったところ、さらに曹氏が「出て行け!」と2回、3回怒鳴ったため、やむなく当該選手はロッカールームから出て行った。

・18年夏頃、練習中に複数の選手に対して「(練習から)出ろ!」と発言した。当該選手らはそのように言われた理由が理解できず、休憩の指示があったものと考え、次の練習に参加しようとしたところ、曹氏は「やる気がないなら入ってくるな!出てろ!」と述べた。当該選手らはその後1時間弱程度、グラウンドの端で立ち続けて見ていることとなった。その後、当該選手らが曹氏に話をしに行ったところ、「お前はもうあきらめている」などと言われた。当該選手らの一部は、一定期間練習や試合に参加できない精神状態となり、オーバートレーニング症候群と医師に診断された。

・19年6月末頃、曹氏は相手にボールを取られた後の切り替えが遅かったと同氏が感じた選手に対し、「一生懸命やっていない。入団当初はそんなことはしていなかった。こういうプレーをするなら他のチームに行ってしろ」などと発言した後、机を蹴り、サッカー雑誌を当該選手の方に投げつけた。雑誌は当該選手の顔の横を通過し、後ろの壁に当たった。

・19年7月の福島キャンプでの練習中、足に違和感を覚えた様子の選手に対して、メディカルスタッフが近寄って状態を確認しようとしたところ、曹氏は「ほっとけ!」「自分で考えさせろ!」などとさけんだ。同スタッフは当該選手の状態を確認できず、同選手がその後も練習を継続したところ、直後に全治8カ月のケガをした。

・本件が報道により問題となった後、曹氏はあるスタッフと電話で話した際に「裏が取れた。内部から内通者がいるらしい。俺は○○だと思っている」「徹底的に戦うつもりだ」などと、当該スタッフいわば「犯人扱い」した。これに対して当該スタッフは強いショックを受け、泣きながら関係者に連絡をしたり、恐怖や不安などにより出勤できなくなったりした。