多数の選手が強化合宿をボイコットするなど強化体制の在り方を巡って対立している全日本テコンドー協会が1日、都内で協議会を開催。金原昇会長ら幹部、選手、所属関係者ら約40人が出席して意見交換を行ったが、ほとんどの選手が途中退席するなど話し合いは決裂した形となった。

 今回の騒動で注目されているのは、金原会長による協会の“統治のあり方”だ。一部報道では、周りをイエスマンで固め、意に沿わない者は排除するという“独裁”“恐怖政治”を敷いているという。

 それに対して金原会長は「独裁のしようがない」と反論。自ら外部理事を招へいしてコンプライアンス委員会、選考委員会などをつくり、ガバナンス体制を整えたと強調し、「その(各委員の)人たちが頑張ってくれている。(独裁の)イメージが出てくるかもしれないが、鶴の一声で決まるとかはあり得ない」と一笑に付しながら否定した。また、反社会的勢力との交際が取りざたされた一部報道についても「決してありません。そういうイメージ付けをされて、気分は良くない」と不快感を示した。

 隣にいた小池隆仁強化委員長は「(会長は)顔は怖いですけど、ちゃんとしたことを言えば、ちゃんと聞いてくれる」と謎の“援護射撃”を展開。それを聞いた金原会長は「そういうことを言うからダメなんだよ。顔のつくりは仕方ないですよね」と笑顔を浮かべながらツッコミを入れ、安藤尚徳専務理事も「(会長は)論理立てて話せば耳を傾けてくださる」と、人の意見を聞く人物であることを強調した。

 一方、途中退席した男子80キロ級の江畑秀範(27)=スチールエンジ=は、協議会中にある理事から「会長は本当に選手のことを考えている。全日本テコンドー協会ほどガバナンスがしっかりしている団体はない。なぜ(問題を)ここまで大きくしたのか?だったらもっと早く(不満を)言ってくれ」と問い詰められたことを告白。「選手のことを本当に考えていたらそんな発言は出てこない」と憤りをあらわにし、「選手たちは協会への信頼はない。今の体制についていけないし、話を聞いていても仕方がないので(途中で)出てきました」と長年にわたって募る不満をぶちまけた。

 協会は今回の議事録を基に8日の理事会で改善を図るとしているが、ずっと問題点を訴えてきたにもかかわらず放置されてきた選手側の不信感は拭えないようだ。