全日本テコンドー協会の合宿に大多数の選手が参加しなかった問題を受け、同協会が1日、東京都内で選手らと今後の強化方針の策定に向けた協議会を開いたが、出席した6人の強化選手のうち5人が途中で退席。選手と同協会の溝はさらに広がった格好で、8日の理事会で改善策が話し合われる。

 協議会が始まって2時間半後、男子80キロ級の江畑秀範(スチールエンジ)が所属チームのコーチと会議室を後にした。同協会の組織運営に関して、国際組織ワールドテコンドー(WT)が始めた調査に出した報告内容が紛糾の理由だった。

 選手たちは6月、合宿の在り方などの改善を求めた意見書を出し、協会側は9月17日付で回答をホームページに公開した。同月21日、同協会の安藤尚徳専務理事が選手4人から回答内容に関する意見をヒアリング。同月29日、WTに「4人から回答内容に不満があるという意見は出なかった」と報告した。

 だが、江畑は「協会の回答はわかりづらく、不満以前の問題だった。報告はうそ」と話す。海外遠征で朝食が用意されなかったなど数々の不手際についても、協会側は「その時に声を上げるべきだ」と説明したという。溝が埋まらないまま、協会側が強化プランを説明しようとしたため、江畑は退席。他の4人もそれぞれ、席を立った。

 同協会の金原昇会長は記者会見で「コミュニケーション不足と改善の必要性を痛切に感じた。非常に有意義な議論だった」と話した。

 また、2000年シドニー五輪銅メダリストの岡本依子副会長も取材に応じ、「自分も4年、理事をやってきて、何も変えられなかったことを反省している。こんな風になって申し訳ない」と涙ぐんだ。(中小路徹)