2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は27日、五輪チケットで不正購入の疑いがあることを発表した。購入の際に必要なID約3万件が不正に取得され、約6900枚、1億8000万円分が不正に購入された可能性がある。組織委では不正が確認されたチケットについては払い戻しをせずに無効化すると断言。不正購入、不正転売防止に強い姿勢を示した。

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「不正購入されたチケットについては、払い戻しをせずに無効化する手続きをします」。鈴木秀紀マーケティング局次長は、都内で行われた会見で厳しい表情をみせた。「不正購入には断固たる対応をとります」と強い口調で話した。

組織委によると、不正が見つかったのは今年5~7月にかけて行われた第1次抽選販売。購入に必要なIDのうち不正に取得された疑いのあるものが3万件見つかった。このIDでの当選が最大で約1200件あり、約150セッション、およそ6900枚が不正に購入された疑いがある。

いずれも不正防止の監視システムで見つかったもので、個人ではなくグループでの行為だという。その手口や発見の経緯などについては「今後のセキュリティーもあるので」(鈴木局次長)明らかにされなかったが、海外からの不正である可能性も否定しなかった。

すでに、当選チケットについては購入手続きが完了されており、その価格は約1億8000万円。組織委では当選した1200件について本人確認、居住確認などを急ぎ、不正が確認され次第「チケット規約に基づいて」(鈴木局次長)手続きをすすめるという。また、無効になったチケットに関しては今後再販売されることになりそうだ。

チケットの不正購入に関して、組織委は厳しい監視の目を向けていた。6月にはチケット不正転売禁止法も施行され「購入は正規の方法で」と繰り返し訴えてきた。それでも、不正はあった。「今後も不正がないように、チェックを続けていきます」と鈴木局次長は話したが、五輪とパラリンピック合わせて約1000万枚を販売するだけに、今後不正が起こる可能性がないとは言い切れない。

この日、鈴木局次長は報道陣の質問に何度も「セキュリティーの問題があるので」と言葉をにごし、詳細は明らかにしなかった。それでも会見をしたのは、組織委の不正に対する強い姿勢を示すため。さらに不正チケットを転売購入しないなど「注意喚起も大切」と話した。五輪チケット争奪戦が続く限り、組織委の不正との戦いも続く。【荻島弘一】

◆今後のチケット販売 この日、五輪第1次抽選の追加抽選販売のデータが発表され、申込者は約140万人で当選者は約12万人、販売されたチケットは用意された約68万枚に対して約35万枚だった。秋以降とされている五輪チケットの2次抽選販売の日程は未定ながら、鈴木局次長は「年内には」。20年初めにはパラリンピックの2次抽選販売があり、同年4月以降には窓口販売と公式サイトによるリセールが始まる。