「スプリンターズS・G1」(29日、中山)

 “雪辱”を期する思いに、因縁めいたものを感じる。1番人気の支持を受けた春の高松宮記念で4着に敗れたダノンスマッシュにとって、この一戦は飛躍へのターニングポイントとなりそうだ。

 父ロードカナロアも4歳春の高松宮記念で1番人気の支持に応えられず3着に敗退。その悔しさを糧に、秋のスプリンターズSで待望のG1初制覇を飾り、国内外でG1・6勝を挙げる大活躍を見せた。安田隆師は「カナロアは秋になって馬がゴロッと良くなった。そして、G1初制覇を機に世界へと羽ばたいた。スマッシュもそうなってほしいですね」と充実期を迎えた息子にエールを送る。

 父も担当していた岩本助手も、息子の成長ぶりに目を細める。「春に比べて子どもっぽさが抜けてきましたね。キーンランドCを勝ったあと、栗東に戻ってから風格が出てきましたよ」。それでいて、まだまだ成長段階。「もう一段、ギアが上がると思う」という言葉を裏返せば、伸びしろは計り知れない。

 目指すはもちろん、父子制覇。「競馬が上手で、安心して見ていられる。春も力負けとは思っていません。スムーズな競馬さえできれば」と同助手。機は熟した。12、13年に連覇した父の足跡をなぞり、初タイトルをつかんでみせる。