「飛び込み・日本選手権」(23日、金沢プール)

 男子高飛び込み決勝は、11日に13歳になったばかりの玉井陸斗(JSS宝塚)が同大会史上最年少優勝を果たした。自己ベストを更新する合計498・50点をマーク。2位に70点以上の大差をつけ、東京五輪代表に内定している寺内健(39)=ミキハウス=が1994年に13歳11カ月で同種目を制した最年少記録を更新した。

 13歳になったばかりの少年が底知れぬ可能性を示した。はにかむ笑顔と対照的に、高さ10メートルの台に立つと眼光がキラリ。5本目の5255B(後宙返り2回半2回半ひねりエビ型)では93・60の高得点を出すなど、自己ベストの演技を見せた。「優勝は狙っていたのでめちゃくちゃうれしいとかではない。『やったな』ってくらい」と言うが「今の自分のベストは尽くせた」。中1とは思えない堂々とした口ぶりだった。

 最年少記録を持っていた同門の先輩・寺内は「世界のレベルに匹敵する優勝は価値が違う」と言うが、それもそのはず。玉井の得点は自身が年齢制限で出場できなかった7月の世界選手権(韓国・光州)4位に相当する。

 それでも「まだ7、8割」と馬淵崇英コーチ(55)。今大会は4月の日本室内選手権より技の難易率を下げており、苦手な207B(後宙返り3回半エビ型)では70・20点にとどまった。東京五輪のメダルラインと想定する550点へ、点数を伸ばす余地は十分あると考える。

 「五輪へ、優勝して第1歩を踏めるような大会にしたいと思っていた」と玉井。「世界の審判から点数を出してもらえる演技を」と、ひたすらに上を見つめた。