柔道男子66キロ級で17、18年世界王者の阿部一二三(22)=日体大=が21日、都内で開催されたイベント「野村道場」で野村忠宏氏、妹の阿部詩とともに柔道教室の講師を務めた。200人の小学生を相手に、得意技の袖釣り込み腰などを披露。子供からの人気は絶大で、「これだけ柔道や自分に興味を持ってくれて、今日はやってて楽しくて自分自身もまた初心に戻れた」と闘志にスイッチを入れた。

 これもトップ選手の重要な役割だ。乱取りの時間には、阿部一と手を合わせたい子供たちが殺到。20人以上に囲まれた阿部一は身動きが取れず、押しつぶされそうになるなど“プチパニック状態”となったが、かつての柔道少年にとっては懐かしい光景だった。

 「自分も小さい頃、もし(憧れだった)野村さんとやれる機会があったらそれくらいの気持ちで『お願いします!!』と行っていたと思う」と自身の小学生時代に重ね合わせ、「押しつぶされそうになったが、すごくうれしくて。柔道を続けてきて(子供にとって)そういう選手になってるんだなと実感が湧いたし、自分ももっと小さい頃のあれぐらいの気持ちを思い出してこれからも頑張っていきたい」と、五輪金メダルを夢見て、結果を恐れず柔道を心から楽しんでいた童心にかえった様子だ。

 自身は昨夏の世界選手権を最後に優勝から遠ざかっており、今年の世界選手権もライバルの丸山城志郎(ミキハウス)に敗れて直接対決3連敗。東京五輪代表争いで厳しい逆風が吹いているが、「今も(世界選手権を)思い出すとすごく悔しいが、負けを受け止めて、あと2カ月は人生を懸けるくらいの気持ちでやっていきたい」と次戦のグランドスラム大阪大会(11月)に向けて不退転の覚悟を示した。