<レスリング:世界選手権>◇20日◇カザフスタン・ヌルスルタン◇女子ほか

【ヌルスルタン=阿部健吾】女子62キロ級の川井友香子(22=至学館大)が敗者復活戦を勝ち抜いて臨んだ3位決定戦に勝って表彰台を決め、東京オリンピック(五輪)代表内定をつかんだ。

北朝鮮選手に12-1でテクニカルフォール勝ちした。先に内定を決めている女子57キロ級優勝の姉梨紗子(24)と、悲願の姉妹で夢舞台に立つ。女子68キロ級の土性沙羅(24)、男子フリースタイル65キロ級の乙黒拓斗(20)は3位決定戦で敗れ、東京五輪代表決定は持ち越された。

  ◇  ◇  ◇

その声は試合中、ずっと聞こえていた。観客席最前列から身を乗り出して、姉の声は川井友に届き続けた。先に失点を許す展開にも「大丈夫だよ!」の一言で平静を保てた。第2ピリオド、一気に攻勢に出てタックル、さらにカウンターで背後に回る鋭い動きで一気に試合を制した。勝利の瞬間、姉、母初江さんの姿を見やり、涙があふれた。「すごく、うれしい」。声をふるわせた。

前日は3回戦で敗れ号泣した。敗者復活戦に回れ、姉は57キロ級決勝を勝つことで勇気をくれた。この日は練習パートナーを務め、対戦経験がある北朝鮮選手対策を一緒に練った。「いつも通りやれば絶対に大丈夫」。いつもと同じ。2人で練習し、2人で戦えた。

「いつも梨紗子が金で私は銀か銅。東京五輪では2人で金メダルを取る」。新たな誓いを胸に、あと1年も絆を太くして走り抜く。