<大相撲秋場所>◇19日◇12日目◇東京・両国国技館

新入幕の東前頭14枚目剣翔(28=追手風)が、優勝戦線に食らいついた。東前頭10枚目佐田の海(32=境川)の出足をもろ手突きで止めると、すぐに引いてはたき込み。前日の夜から考えていたという立ち合いが見事に成功し「イメージ通り、イメージ通りですね。まわしを取られたくなかった。決まって良かったです」と何度もうなずいた。

ヒール役を買って出ている。「負けて喜ばれる相撲取りになりたいんです」。場所前も場所中も相手の取り口を研究し、自身の「10種類ある」という立ち合いで対応する。十両優勝した7月の名古屋場所では、剣翔に負けたとある十両力士が支度部屋で「本当にやりにくい相手なんですよ。何をするか全く読めない」と漏らしていた。この日、支度部屋で剣翔は「相手が嫌がることを狙っています」ときっぱり話した。

新入幕の今場所は、敢闘賞が一つの目標だ。「最近新入幕で10勝なら敢闘賞は間違いないですよね? だから狙いたいなって…」。確かに、3人の新入幕力士が10勝を挙げて11勝の碧山だけが敢闘賞を獲得した11年九州場所以降、夏場所の志摩ノ海まで10人連続で10勝以上の新入幕力士は敢闘賞を受賞している。「まあ、運が良ければって感じで…。11番なら、間違いないですか?」。意欲満々の敢闘賞へ、逆質問が止まらなかった。