「大相撲秋場所・9日目」(16日、両国国技館)

 元関脇で関取最年長37歳、西十両7枚目の嘉風(尾車)が16日、都内で現役引退と年寄「中村」襲名の会見を行った。引退原因となった右膝負傷は、地元大分県佐伯市をPRする渓流下りのイベント中だったと明かした。

 地元での合宿中に負ったとされていたが、稽古中ではなかった。「佐伯市内の渓谷でキャニオニングという渓流下り、市のPR目的のもとで行っている最中に右の膝をけがしてしまった」。地元のためを思って参加したイベントでの、不幸な事故だった。

 緊急手術を受けリハビリしてきたが土俵に立つどころか、日常生活にも支障。「腓骨(ひこつ)神経まひ、足首にまひが残り、装具をつけなければ歩行も難しい。あきらめざるを得ない状況」と、再起は不可能だった。

 現役16年、現役1位の金星8個を獲得。真っ向勝負でファンを魅了した。「ありがたい相撲人生」と感謝した一方で「悔いしかない。相撲は人生そのもの。悔いは残ります」。今後は指導者へ転身するが、心身のショックは大きい。