<サーフィン:ワールドゲームズ>最終日◇15日◇宮崎・木崎浜海岸◇男子決勝ほか

チャンピオンシップツアー(CT)で活躍するイタロ・フェレイラ(25=ブラジル)が、世界トップのサーフィンを見せて優勝を飾った。準決勝を1位通過したフェレイラは、35分で行われる決勝の7本目にバックサイドのフルローテーション(1回転)を決めて大会最高の10・00をマーク。2本合計17・77で逃げ切った。

「いろいろあったけど、神様が味方をしてくれたんだ」。フェレイラは笑いながら言った。実は、優勝どころか、出場さえも諦めかけていた。

大会直前、パスポートをビザごと盗まれた。ギリギリで再発給されたが、今度は台風で飛行機が欠航。ヒート開始が1時間遅れになったのは幸いだったが、宮崎空港に到着したのはスタートする10分前だった。ボードなど荷物を空港に残して会場に直行。すでに20分の試合時間の半分が過ぎていたが、チームメートからボードを借り、機内で着ていたサーフパンツのまま海へ飛び込んだ。

わずか9分の間に3本波に乗って1位で2回戦に進出。自身のインスタグラムで騒動を発信した。「奇跡の大会出場」が話題になる中、CT今季6位の実力を発揮して連戦連勝。ストレートで決勝に進み、頂点にまで上り詰めた。

ギリギリでも大会に出場したのは、東京オリンピック(五輪)の予選を兼ねていたから。もちろん、狙うのはCT枠での出場だが「五輪に出るにはワールドゲームズ出場が必要だったから」と話した。国際サーフィン連盟(ISA)が五輪出場者への今大会出場を義務づけていたからだ。

CTランク10位以内の五輪出場条件は満たしているが、1カ国から2人の制限もある。この日決勝で争った昨季王者のガブリエル・メジナ(25)が現在4位。フィリペ・トリド(22)が首位だから、ランクを上げて上位2人に入る必要がある。

「残るCTで成績を残して、ランクを上げることだね」と、フェレイラは五輪出場に意欲をみせる。「神様がついているから。また神様が助けてくれる」。パスポート盗難から優勝までたどりついた「奇跡のサーファー」は来年、再び日本に来ることを誓っていた。