◆西武2─3ソフトバンク(12日・メットライフドーム)

 ソフトバンクは西武とのシーズン最後の頂上決戦を1点差で制し、優勝マジック「12」を点灯させた。ノーヒットノーランから中5日の登板となったエース・千賀が8回1失点の力投で13勝目。残り12試合で、最短なら20日に2年ぶりリーグ優勝が決まる。西武との対戦成績も13勝12敗と勝ち越しを決めた。

 狙って奪った。先制点は与えない。千賀はその気持ちだけで、マウンドに立っていた。0―0の7回1死二、三塁。栗山、外崎をフォークで2者連続三振に切った。「(栗山は)外野フライもダメ。三振を狙って取れて良かった」。“歴史的なペース”で三振を量産する右腕の真骨頂だった。

 4回まで完全。倉野投手コーチには「ノーヒットノーランをやるつもりで」と送り出された。5回1死から栗山に右前打され、14イニングぶりにヒットを許したが、崩れない。8回4安打1失点。前回6日のロッテ戦(ヤフオクD)で、育成出身初のノーヒットノーランを達成。続く試合も白星はパ・リーグでは、1996年の西武・渡辺久信以来、23年ぶりだ。「『絶対に負けない』という気持ちでマウンドに上がった」。チームの勝利が最優先だった。

 昨季の7月以降、西武との優勝争いのなか、当地で3連敗。今季も前回8月30日の西武戦(メットライフ)で7回4失点で黒星を喫した。だが、今季最後の直接対決で白星。「勝負どころで勝てない」レッテルを払拭した。「今日みたいな、大きな試合のなかでよく投げてくれた」と目を細めた工藤監督。「しびれたね。千賀もよく投げてくれたし、甲斐もよく守ったね」と王会長はバッテリーをたたえた。今季の奪三振率は驚異の11・44。規定投球回以上では、歴代最高の98年のヤクルト・石井一久の11・05を上回っている。

 自身最多タイの13勝目で、ハーラートップの日本ハム・有原に1差に迫った。前日11日に79日ぶりに首位から陥落したが、エースが1日で首位を再奪取。マジック「12」を点灯させた。「1つも負けられない。(西武と)どっちが我慢できるか」とマッチレースを覚悟した指揮官。「(優勝へ)まだまだ遠い。最後の最後まで自分の役割を果たしたい」と誓った千賀。2年ぶりのVは譲らない。(戸田 和彦)