「阪神2-12ヤクルト」(12日、甲子園球場)

 阪神は八回に4点を追加され、点差が10点に広がった。その裏に登場した代打・鳥谷が力なく二ゴロに倒れると“見る物は終わった”とばかりに、スタンドのファンが続々と席を立っていった。

 これで残り12試合。奇跡の逆転CS進出へ向けて、死力を尽くす戦いを期待していた虎党にとっては、あまりにも残酷な大敗だ。ゲームセット後、一礼するチームの列に向け、一部のファンからは厳しいヤジも飛んだ。

 序盤から球場が重苦しい空気に包まれていく。初回に3点を失っていた高橋遥が、四回にヤクルトの猛攻を食らった。自らのエラーもあり、次々と失点を重ねていくと、この回5失点。点差が8点に広がると、早くもあきらめムードが充満した。

 大誤算と言える先発の背信に、ベンチ内の矢野監督の表情も色をなくし、徐々にぶ然としたものになっていく。負けられない戦いで、なぜ早めに高橋遥を代えなかったのか-。その疑問に試合後、指揮官が答えた。

 「(中継ぎ陣を)温存とは思ってないけど…。でもすべてがいい経験になるし。連戦が続く中で、投げさせにくいピッチャーが前(の試合)にも投げているので。すべてを含めてそうしました」

 7連戦の3戦目。中継ぎ陣をつぎ込みたくない思いと、将来のエース候補への「この回までは投げろ」という叱咤(しった)の思いで続投を決めた。

 3位・広島が勝ったため、ゲーム差は4・5に広がり、再び自力でのCS進出の可能性も消滅した。また、最短で14日にも14年連続のV逸も確定する。だが、大敗を引きずってはいられない。きょうからは0・5ゲーム差の5位・中日との2連戦。とにかくひとつでも上の順位を目指して、戦っていくしかない。