◆阪神4―5ヤクルト=延長10回=(10日・甲子園)

 球団通算5000敗に厳しい現実が追加された。「前を向いてやるしかないんでね…。前を向いてやります。(終わりますが)いいですか?」。14試合を残し、自力でのCS進出が消滅。わずか1分だった会見の最後で、矢野監督が語気を強くした。

 死に馬に蹴られたような気分だろう。試合が決まったのは延長10回。6番手・ドリスが2死三塁から塩見に中前へ運ばれた。この時点で打率1割にも満たなかった伏兵。青木に代わる守備からの出番だった。

 8回裏から4番のバレンティンもベンチへ下がっており、何より小川監督や宮本ヘッドコーチが今季限りで退任。「こういうところで投げさせてもらっている以上、自分の責任です」と前守護神の右腕は潔かったが、チームとしての目標を探しにくい相手に、あまりにもつらい取りこぼしだ。

 7連戦の初戦。矢野監督は「そんなこと、言ってられない」と腹を決め、惜しみなくリリーフ陣を投入した。先発・秋山を3回であきらめ、島本、岩崎と両左腕が2イニングずつ奮闘。流れを引き戻し、一時は3点差を追いついた。振り返れば、初回の拙攻が痛恨。制球に苦しむ高橋から1死満塁から1点しか奪えず「点を取るところで取れていない。こういう試合になるよね」とため息をついた。

 3位まで4・5ゲーム差に拡大。数字上は限りなく厳しいが、希望の灯が消えたわけではない。逆転CSへ不可欠なのは、この日の勝負所で空転した大山らの奮起。選手個々の意地が、最後の切り札になる。(長田 亨)