「広島3-0中日」(10日、マツダスタジアム)

 広島のドラフト1位・小園海斗内野手(19)が4号2ランを放ち、球団の高卒新人本塁打記録を塗り替えた。1-0の七回に右翼席へ一発を放ち、1950年の紺田周三(3本)を超え、69年ぶりに最多を更新した。チームは中日戦のシーズン勝ち越しを決め、勝率で3位ながら、2位・DeNAにゲーム差なしと迫った。

 手に残った感触とは対照的だった。引っ張った打球は、グングン伸びて右翼席最前列へ飛び込んだ。小園が広島の夜空に放った4号2ラン。先発したエースの大瀬良を勇気づけるとともに、自身の名前を球団史に刻んだ価値ある一発になった。

 「抜けるかなと思ったけど、入るとは思わなかった。ただ、前のポイントで、しっかりと捉えることができました」

 1-0の七回1死二塁。梅津が投じた高めに浮いたフォークをはじき返した。二回2死一、二塁ではそのフォークに空振り三振。五回無死一塁でも同球を打ち、一ゴロに倒れた。そして臨んだ3度目の対戦。脳裏に刻んだ軌道をイメージしながら打席に立ち、最高の結果を残してみせた。

 7日の阪神戦(マツダ)に続き、出場2試合連続でアーチを描いた。シーズン4本塁打は、球団の高卒新人では1950年の紺田周三が持つ記録を塗り替える快挙。大瀬良、西川と共に初めて上がった本拠地のお立ち台では「うれしいです」と白い歯をこぼした。

 “プロ1号”は3月3日・西武とのオープン戦だった。当時を振り返ると「何も考えていなかった」。高校時代からの打撃フォームを継続しバットを振った。シーズンが進むにつれ「無駄を省いていった」。手を動かしながらタイミングを取るスタイルを止めた。膝を折り、重心を低くして構えることで変化球への対応力を上げた。プロのボールへ適応するために作り上げたシンプルなフォームが、安打を生んでいる。

 上位争いを繰り広げるシーズン終盤。独特な雰囲気を経験することも、かけがえのない財産だ。「毎日、緊張感がある。気が抜けない」と明かした小園。7連戦の初戦でチームを勢い付ける一発に、緒方監督は「たまにビックリさせてくれるから。小園がね。どんどんビックリさせてほしい。いろんな経験をして、その経験を生かして勝負どころで力を発揮してくれればうれしい」と目を細める。

 2位・DeNAとはゲーム差なしに迫った。「良い所で打てるように頑張りたい」と力を込めた黄金新人。残り10試合、成長しながら駆け抜けて行く。