政府への抗議活動が続く香港で10日夜、サッカー・ワールドカップ(W杯)予選の香港代表とイラン代表の試合があった。試合前、中国国歌の斉唱が始まると、多くの人がグラウンドに背を向けたり、ブーイングの声を上げたりして抗議の意思を示した。

 試合はW杯カタール大会のアジア2次予選。香港は0対2で敗れた。事前にSNSなどで「世界に向けて英語で要求を叫ぼう」などと呼びかけられた。会場近くの地下鉄駅には、香港代表と同じ赤い服のほか、政府への抗議活動を象徴する黒い服を着た若者らが集結。「香港に自由を」などと叫びながらスタジアムへ向かった。

 試合開始前、観客席では、一連の抗議運動を通してデモ隊の間で広まった「香港に再び栄光あれ」という歌も合唱された。

 中国返還後、香港代表の試合では中国国歌が歌われるが、2014年の民主化デモ「雨傘運動」以降、若者らがブーイングをしたり、起立を拒否したりすることが相次いだ。

 香港政府は今年1月、中国国歌への侮辱行為に禁錮や罰金を科す条例案を立法会(議会)に提出したが、審議は先送りされている。(香港=平井良和)