<阪神4-5ヤクルト>◇10日◇甲子園

「キナチカ」の奮闘も勝利に結びつかなかった。阪神木浪聖也内野手が攻撃の起点になった。初回に先頭打者として打席に向かい、フルカウントから内角146キロ直球を捉えて左前に運んだ。「1番として塁に出たのはいいこと。初回、大事なので。強い気持ちで臨めています」。チームに勢いを与え、糸原の先制打につながった。

4回には同点の足がかりを作った。先頭で打席に入ると、内角にきた3球目の134キロフォークを流した。左翼フェンス直撃の三塁打。スライディングした際に三塁手と交錯し、すぐに立ち上がることができなかった。矢野監督も一塁側ベンチから、心配そうな表情で駆けつけた。右足のレガースを外すも、屈伸ができずベンチへ。治療を終えると、歯を食いしばって再びグラウンドへ…。気迫のプレー続行で、福留の犠飛で本塁に生還した。

木浪はマルチ安打で今季86安打とした。ただ、8回の好機では凡退。「チャンスで打てなかったので、反省ですね…。(足は)全然大丈夫です」とチームの敗戦を悔やんだ。

木浪に負けず近本光司外野手も奮闘した。6回に左腕ハフの直球を左翼にはじき返した。8戦連続安打で今季142安打目。残り14試合で、巨人長嶋茂雄のリーグ新人記録153安打を目指す。その直後、二盗失敗。足を折りたたみ、タッチをかいくぐったと自らリクエストをベンチに要請。数分間のリプレー検証後にアウトの判定。「セーフだと思った。タイミングはアウトだったけど、少しでも可能性があると思って」と“幻のスチール”を振り返った。

木浪が100安打をクリアすれば、近本とともに新人2選手が大台に到達。球団71年ぶりの快挙になる。自力でのCS進出の可能性はなくなったが、「キナチカ」は最後まであきらめずに戦う。【真柴健】