バスケットボールのB3リーグが14日開幕。今季から新たに加盟するベルテックス静岡はホーム・静岡中央体育館で同日、アイシンAWとの開幕戦に臨む。スポーツ報知では、静岡市初のプロバスケチームとして注目が集まる同チームの初代指揮官、26歳の後藤祥太ヘッドコーチ(HC)に、現在のチーム状態と、意気込みを聞いた。(取材・構成 塩沢 武士)

 -いよいよ、14日に開幕を迎える。7月1日にチームが始動してから2か月。今のチーム状態は。

 「すごくモチベーションは上がってきて練習もハードにできている。現時点ではまだ完成していないが、そこはシーズンを通して、上げて行かれればいい。若いので勢いがある時はいいけど、そうじゃない時に、どうするかが大事になると思う」

 -シーズン前の2試合の練習マッチでも、若さが出る場面があった。

 「もちろん、我々スタッフの経験不足という面もあるし、チームとしての経験の部分でもある。リーグを戦いながら学んでいかなければ、いけないところだと思う」

 -大きなケガ人は。

 「小さい故障はあるけど、14人全員がコートに立てる状態にある。あと1週間、ケガなく、しっかり強度の高いトレーニングで調整していきたい」

 -改めてどんなバスケをしていきたいか。

 「魅せるバスケをしたい。中でも、ディフェンスから泥臭く、攻守に連動させるようなプレーをしていきたい」

 -チームには2メートル台のセンターがいない。サイズがない分、練習マッチでは、リバウンドに課題が出たように見受けられた。

 「そこは小さいチームの宿命。もちろん、改善をしないといけないし、(試合では)リバウンドの数を同数に持ち込めれば、もちろんいいけど、高さのミスマッチがあった上で、どうするかが問題。いい形でシュートを打たせないとか、リバウンドを取るスペースにボックスアウトして相手を入れないとか、高さだけでなく、準備しないといけない部分もある」

 -チームでリバウンドの意識を高くすることか?

 「リバウンドを誰が取るかが重要ではなく、どう取るか。チームでどう解決するかだと思う」

 -リーグ戦は全60試合の長丁場。

 「もちろん、B3優勝が目標。できることなら、全勝優勝したいけど、そんな簡単にはいかない。うちは、まっさらなチーム。特に、前半10試合で色々なことを、“学ぶ”ことが必要になると思う。プランとして考えていることを元に、少しずつ改善して、まずは、最初の10戦で勝ち越したい」

 -現在26歳。HC就任の打診を受けたのは25歳の時だった。Bリーグの指導経験はなく、縁もゆかりもない静岡のチームからオファーがあった時の気持ちは?

 「最初に話をもらったのは今年2月ごろ。声をかけてもらった時は、ちょっとびっくりだった。自分でいいんだって。新しいチームにゼロから関われる機会は、なかなかない。指導者を目指していたし、ここで、逃さない手はないと思った」

 -最初からプロの指導者になりたかったのか。

 「中学生の頃、バスケの楽しさ、厳しさを知って、漠然と将来は指導者になりたいと思った。大学を選ぶ時も教員を目指して、東京学芸大に決めた。3年から学生コーチを務めたが、1年のころから暇があれば、指導者クリニックに参加していた」

 -かなり影響を受けた?

 「外国人や有名なコーチから色々なバスケを教わって勉強になった。竹原(勝也)さん(現編成・強化ディレクター)と知り合って、海外にも連れて行ってもらった。大学院の時には、プロのコーチになるなら、もっとバスケを勉強しないといけないと思った」

 -年上の選手もいて、指揮するのも苦労はあると思うが。

 「ひとつひとつの指示を明確にすることは意識している。異なるバスケ観と個性を持った選手の集まりなので、共通意識を持たせるのが一番大変。年齢は関係ないので、遠慮しないようにはしている」

 -静岡にプロのバスケチームが誕生。県内ファンの期待は大きい。

 「プレシーズンマッチで、応援してくれる人がいっぱいいてくれることが分かった。勝っていければ、これほど、うれしいことはない。もちろん、負ければ、クローズアップされるのは仕方ないこと。でも、この経験は財産になる。試行錯誤することが、今後の自分の指導者生活に生きると思う」

 ◆後藤 祥太(ごとう・しょうた)1993年6月11日、和歌山県生まれ。26歳。小4でバスケットを始めた。和歌山・桐蔭高から東京学芸大に進学。2015年から16年は同大学のヘッドコーチを務め、17年には熊本大のAコーチに就任。18-19年は実践学園中男子のAコーチで指導した。19年からベルテックス静岡の初代HCに就いた。独身。