20年東京五輪で金メダルを目指す侍ジャパンの稲葉篤紀監督(47)がライバルチームの分析を目的に“世界横断”を計画していることが9日、分かった。欧州、米国、台湾に出向く予定で、総移動距離は地球一周を超える5万キロ以上に及ぶ。事実上、代表スコアラーを兼務する形で異例の旅に出る。

 大目標の五輪に向けて、自ら世界を飛び回る。韓国リーグ視察から帰国した指揮官は、今後行われる各地の五輪予選を視察する意向を示した。早速、来週には五輪出場1チームが決まる欧州・アフリカ予選(イタリア)へ出発。来年3月には同じく1チームが出場権を得るアメリカ大陸予選(米アリゾナ)を視察する。「(試合数などは)大会規定が決まってからになるけど、自分の目でしっかり見ていきたい」。米国から帰国直後には大陸間世界最終予選(台湾)に足を運ぶ。

 8月には台湾、前日8日までは韓国とアジアのライバルを視察した。代表監督の海外視察は異例で、侍ジャパンには専門的なスコアラーが不在という事情がある。五輪は8月開催のため、稲葉監督は「シーズン中に他球団からスコアラーをお借りするのは難しいし、(コーチ含め)我々全員で補い合ってやっていきたい」と世界行脚の狙いを明かした。

 コーチングスタッフには分析力に秀でた人材がそろう。「金子ヘッドはアテネ五輪で映像や資料を山ほど見て相手の癖を分析し、知恵熱を出したほどの研究家。井端コーチも分析は得意だし、建山コーチは投手だけでなく打者の特徴を見る目がある。村田コーチはスコアラー経験も豊富だからね」と信頼を寄せた。

 11月のプレミア12(台湾、日本ほか)、2月のキャンプ視察を含めれば、“チーム稲葉”の総移動距離は5万キロ超に上る。地球一周(4万キロ)をはるかに超える旅路が、金メダルへの最短距離を照らし出す。

 ◆東京五輪の出場チーム 開催国枠で出場が確定している日本を含む6チームが出場。残りの5チームはプレミア12や各地区予選で決定する。欧州ではオランダ、イタリア、アジア・オセアニアでは韓国、台湾、オーストラリアの実力が高い。北中南米には米国、キューバ、メキシコ、ベネズエラ、プエルトリコ、ドミニカ共和国などの強豪国がそろう。

 ▽開催国枠(日本)=〈1〉

 ▽欧州・アフリカ予選(9月、イタリア)=〈1〉

 ▽プレミア12(11月、日本、台湾、韓国、メキシコ)=〈1〉or〈2〉

 ▽米大陸予選(20年3月、米国)=〈1〉

 ▽大陸間世界最終予選(同、台湾)=〈1〉or〈2〉

※丸数字は出場枠