「広島3-2阪神」(8日、マツダスタジアム)

 敗戦を結果で振り返れば、痛恨の走塁ミスだった。初回の好機をつぶし、流れを失ったけん制死。ただ出塁は阪神・近本のアイデアが生んだバント安打で、先の塁を狙う姿勢が紙一重のアウトになった。相手のスキル、戦術に脱帽するしかなかった。

 「いい投手なので、なかなかクリーンヒットは…。少しでも先の塁を考えて、常に狙っていた。うまくやられました」。振り返ったのは初回、2死一、二塁。先制機で近本は二塁走者だった。1ボールからの2球目。リードを広げたところで、ジョンソンのけん制に引っ掛かった。

 左投手は二塁走者が背後になるため、試合前ミーティングでも「揺さぶれる選手は、揺さぶっていこう」と指示を受けていた。好走と凡走は表裏一体。だからこそ筒井守備走塁コーチも「スキを狙っていたのに、フォーメーションにやられた。しっかり反省して今後に生かしたい」と責めなかった。

 ただ、好機を作ったのも近本のバットと足だ。三塁前に絶妙なバントを転がし、内野安打を奪った。「簡単には打てない。汚くてもいいと思っていた」。通算141本目の安打。並んでいた高橋由伸(巨人)を抜き、セ・リーグ新人安打記録で単独3位に立った。6戦連続安打で9月は、打率・333と依然好調。火曜日からの7連戦。走攻守でチームを勝利へ導く。