高校日本代表が出場した野球の第29回U18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)最終日は8日、韓国・釜山近郊の機張(キジャン)で決勝があり、台湾が5連覇を狙った米国を2―1で下し、3度目の優勝を果たした。

 5位が確定していた日本は試合がなく、6位だった2012年大会以来のメダルなしに終わった。8日の閉会式で、日本からは最多本塁打(2本)に西純矢(岡山・創志学園)、大会のベストナインに相当する「オールワールドチーム」に先発投手で奥川恭伸(石川・星稜)、一塁手で韮沢雄也(埼玉・花咲徳栄)が選ばれた。

 日本の防御率1・58は、出場12チーム中トップ。奪三振93個も最多。投手陣には、こんなテーマがあった。

 「佐々木と奥川が戻るまでは、総力戦」

 全国選手権で決勝まで戦った疲労が残る奥川と、8月下旬に大学代表との壮行試合で右手中指にマメを作った佐々木朗希(ろうき)(岩手・大船渡)は、大会序盤の登板が難しい状態だった。永田裕治監督は、「(選手を)預かっている身なので」と慎重に起用のタイミングを探っていた。

 投手陣の柱2人が投げられない間、先発も救援もと大車輪だった西らの奮闘で、1次リーグ(L)B組を1位で突破した。迎えた2次L初戦で、初先発した奥川がカナダを相手に7回1失点、18奪三振と好投。ここまでは、大会前からチームが描いていたシナリオ通りだった。

 誤算は、2戦目の韓国戦。満を持して初登板した先発の佐々木が1回限りで降板した。最速163キロ右腕の右手中指には、再びマメができていた。わずか19球での緊急降板を、主将の坂下翔馬(奈良・智弁学園)が振り返る。「予想外の展開。そこで自分たちの野球ができなかったのが弱さです」。2点リードの八回、野手の失策で同点にされ、タイブレークに入った十回にも守備のミスで傷口を広げてサヨナラ負けを喫した。

 投手が苦しいときは野手が打撃で援護し、野手が打てなければ投手が踏ん張る――。そんな総合力を問われる展開で、野手が粘れなかった。1次Lで唯一負けた台湾戦、決勝進出への可能性が残っていた2次Lの豪州戦と、負けた3試合はいずれも失策が痛い失点につながった。

 昨年9月のアジア選手権で3位に終わった後、日本高校野球連盟は代表チームの強化に本腰を入れた。国際大会対策プロジェクトチームを立ち上げ、今年4月に初めて1次候補選手を集めた研修合宿を実施。分析担当コーチの新設やアシスタントコーチの増員など態勢を充実させた。例年、代表チームは夏の甲子園直後から本格的に動き出すが、成熟を早めようと工夫した。

 新たな取り組みは結果に結びつかず、悲願の世界一は遠かった。春の合宿を体験し、投打で貢献した宮城大弥(沖縄・興南)が言う。「夏の甲子園に出られなかった選手を早めに集めて合宿をしていれば、もっとチーム力が向上すると思う」。次の大会に向け、改善できることはまだまだある。(小俣勇貴)