ヤクルトが、来季1軍監督として、高津臣吾2軍監督(50)の昇格を最有力としていることが8日、分かった。クライマックスシリーズ進出の可能性が消滅して一夜明けたこの日、小川淳司監督(62)が成績不振の責任を取って今季限りで辞任する意向を表明。球団が退任を了承すれば、全日程終了を待って就任要請を行う見通しだ。

 5位中日に9・5ゲーム差をつけられて最下位に沈むヤクルトの再建は、NPB通算286セーブをマークし、日米韓、台湾に加え、独立リーグでもプレーした経験豊富なレジェンドクローザーに託される可能性が極めて高くなった。

 衣笠球団社長は「全日程が終了して初めて口にできること」と断った上で、後任監督に求める条件について「良好なチーム運営。特に今年は投手陣がもう少し奮起してくれていれば、Aクラスもというチームだった」と分析した。今季は2年目内野手・村上の台頭もあって150本塁打、589得点はリーグ2位。一方で投手陣の663失点、防御率4・68はともにリーグワーストだ。高津2軍監督は15年に1軍投手コーチとして14年ぶりV奪回に貢献した。12年にBC新潟で選手兼任監督を務めるなど多種多様な経験も積んできた。人気が高く、球団内で若手育成に定評もあり、投手陣の再整備にうってつけの人材といえる。

 14年から古巣で指導にあたり、1、2軍のチーム状況を掌握している点も大きい。17年からは現職。時間を要さず、スムーズに小川路線を継承できる。就任に支障はないとみられる。投手出身の監督就任が実現すれば、二刀流の関根潤三氏(87~89年)、投手専任なら土橋正幸氏(84年途中~86年)以来となる。

 古巣のコーチ就任時は「困難に立ち向かう自分は嫌いじゃない。やってやろうという気持ち」と発言。90年代の黄金時代を支え、現役時代は野村克也監督、若松勉監督、オジー・ギーエン監督らのもとでプレー。名将のDNAが染み込んでいる。

 この日の巨人戦(神宮)は台風15号接近による観客の安全面を考慮して中止となった。2年契約最終年で退任する小川監督は「いずれ球団から発表があると思います。理由はこの成績以外にない」。続投も検討していた球団に固い辞意を伝えており、根岸オーナーの応諾を待っている状況という。「束ねていた俺の力不足。俺の力でどうなるわけじゃないけど、変えていけなかったのが大きな要因」と責任を背負い込んだ。

 ユニホームは脱ぐが、球団から「チームの生き字引」と信頼が厚い小川監督。今後について、衣笠社長は「あれだけ熟知した人。しばらくしたら、何かしらお手伝いしてもらえたら」と発言。15~17年に務めたSD職復帰など、今後も球団内で力を尽くす可能性が高い。

 ◆高津 臣吾(たかつ・しんご)1968年11月25日、広島県生まれ。50歳。広島工から亜大を経て90年ドラフト3位でヤクルト入団。4度の最優秀救援投手に輝き、04年1月にWソックスにFA移籍。メッツなどを経て06年にヤクルト復帰。韓国、台湾、BC新潟でもプレーし、12年に現役引退した。通算286セーブは歴代2位。180センチ、75キロ、右投右打。