「空のF1」の異名をとる小型プロペラ機の世界レース「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ千葉大会」の決勝が8日、千葉市美浜区の千葉県立幕張海浜公園であり、日本人唯一のパイロット室屋義秀選手(46)が優勝、今年で幕を閉じるレースの最終大会で有終の美を飾った。今年の全4戦を終えた総合成績はマット・ホール選手(豪州)に次ぐ2位で、年間総合王者にはあと一歩届かなかった。

 7日の予選で5位だった室屋選手は、8日の1対1の勝ち上がり戦で予選10位のベン・マーフィー選手(英国)と対戦し、57秒912の記録で競り負けた。しかし、敗者のなかで最もタイムが速く、8強に進出。ペナルティーのない手堅い飛行で勝ち抜き、最終ラウンドの4強によるタイムレースでも、安定感のあるフライトで4選手の中で最速の58秒630を記録した。

 レース後の記者会見で室屋選手は「(初戦では)駄目かと思うようなシーンもあった」とスリリングな勝ち上がり方を振り返りつつ、「千葉の地で優勝を飾れたのは非常に良かった。何よりも、自分の力が出し切れるという満足感のある終わり方ができた」と、充実した表情で語った。

 最後に優勝を飾った千葉は、3年前に初優勝を経験した場所でもある。「本当に特別な場所。ホームレースで3回勝てるのは実力だけではないと思う」と、観客の応援に感謝した。

 室屋選手は、16、17年の千葉大会を連覇、17年には年間総合王者に輝いた。2年ぶりの総合王者が期待された今年は千葉大会を含む4戦中3戦で1位を獲得したが、ペナルティーを取られたハンガリーでの第3戦が響いた。(熊井洋美)