◆ソフトバンク2―0ロッテ(6日・福岡ヤフオクドーム)

 ソフトバンク・千賀がプロ野球史上80人目(通算91度目)のノーヒットノーランを成し遂げた。ロッテ打線に4四死球を与えたが、毎回の12奪三振で達成。12勝目を挙げた。西武が勝ったためにマジック点灯はまたも持ち越しとなったが、2年ぶりのリーグ制覇へチームを勢いづけた。無安打無得点は昨年7月27日の中日戦(東京D)の山口俊(巨人)以来で、令和および育成出身選手では初めての快挙となった。

 最後は代名詞のフォークで決めた。9回2死一、三塁。井上を空振り三振に切り、ようやく表情を崩した千賀が、甲斐とマウンドで抱き合った。「最高です」。バッテリーともに野球人生初の快挙。2人で上がったお立ち台で、笑顔がはじけた。

 5回を終え、もう1度ギアを入れた。「(ヒットが)ゼロだったので。あと4イニング全力でいって抑えよう」。3者連続三振だった8回。レアードへの113球目は、この試合最速の159キロをたたき出した。9回無死から2者連続で四球を出し、最後の試練は、鈴木、中村奨、井上を3者連続で「お化けフォーク」で仕留めた。「1本打たれたら、ため息がくると思っていた」と、ファンの反応を考える余裕もあった。

 8月10日の日本ハム戦(ヤフオクD)で11勝目をマークして以来、勝ち星から遠ざかった。先発では、自身ワーストの同一シーズン3連敗。長年、チームの中心だった摂津が抜け、「自分が引っ張らないといけない」と、エースの自覚を持って臨んだシーズン。勝負所で、勝てない自分へ腹立たしさが募った。

 そんな時、“内助の功”に救われた。この日、目を覚ますと甲斐から、「お前のために頑張る」と、LINEでメッセージを受け取った。10年の育成ドラフトで入団し、苦楽をともにしてきた。プレーだけでなく、プライベートでも小まめに連絡を取り、“夫婦”のように仲のいい女房役からの言葉。試合中、普段は離れて座っているが、この日は常に横に座って配球などを話し合った。「気持ちに応えるように投げたい」とより一層、力が入った。12奪三振で205奪三振とし、両リーグ最速で、200奪三振を突破。奪三振率11・51は先発では“異例”の数字。規定投球回以上では、1998年のヤクルト・石井一久の11・05を上回る歴代最高のペースで量産し続けている。

 育成ドラフト出身では初のノーヒットノーラン。球団では南海時代の43年の別所昭(後に毅彦)以来2人目で、50年の2リーグ制後では初だ。過去のエースでも成し遂げられなかった快挙。優勝マジック点灯は7日以降にお預けとなったが、千賀が5連勝に導いた。「今日はバッテリーで成し遂げたノーヒットノーラン。チームにとっても大きい」と、工藤監督も最敬礼した。タカがエースの快投を号砲に、3年連続の日本一、2年ぶりのリーグV奪回へさらに加速する。(戸田 和彦)

 ◆千賀 滉大(せんが・こうだい)1993年1月30日、愛知県生まれ。26歳。蒲郡高から2010年の育成ドラフト4位でソフトバンクに入団。12年4月に支配下登録された。150キロを超える速球とフォークボールを武器に、16年から4年連続2ケタ勝利。17年には13勝4敗で最高勝率のタイトルを獲得した。186センチ、84キロ、右投左打。今季年俸1億6000万円。既婚。