<競泳:日本学生選手権>◇第1日◇6日◇東京辰己国際水泳場◇日刊スポーツ新聞社後援

男子400メートル自由形で、吉田啓祐(19=日大)が、3分50秒45で初優勝した。

同じ日大1年で、白血病で闘病中の池江璃花子(19)が、一時退院を利用してチームの応援に駆けつけた。吉田啓は左足親指骨折のけがを抱えたままで強行出場。マスク姿で声援を送った同級生の期待に応え、しっかりと優勝した。女子100メートル平泳ぎでは、池江の親友である東洋大1年の今井月(19)が、自己ベストの1分6秒91で初優勝した。

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300メートルでペースアップした。吉田啓は、先頭の吉田冬を見て仕掛けた。得意のラストスパートで逆転した。池江らの大声援に応えて「(池江には)ずっと前に、ラインで『インカレ来るっしょ』と送った。本当に来てくれたのでうれしかった」と喜んだ。

一時退院を利用して池江が会場を訪れた。マスク姿にメガホンで午前の予選、午後の決勝とチームに声援を送った。2月12日の白血病公表から初の公の場。マネジメント会社関係者は「本人の希望でした。本人は楽しみにしていました」と説明した。

吉田啓は不運続きだった。8月5日にへんとうが腫れて39度の熱が出た。さらに同19日に電車に乗ろうと走り、駅のホームでつまずいて左足親指第2関節を骨折。車いすで全治3週間の診断だったが「これで優勝したら格好いいかな。目立ちたくて」とけがの翌日から練習を再開した。この日は池江から「けが、大丈夫?」と聞かれて「大丈夫じゃねーよ」と応えたが、きっちりと優勝を届けた。

吉田啓は7月のユニバーシアード大会金メダルで世界選手権リレー代表。東京五輪の有望株でもある。予選で精彩を欠き、不安だった決勝の入場時には池江とタッチをかわした。「(池江が)来てくれたことは力になるし、チーム力ってすごいなと思った」と感謝していた。【益田一弘】