2020年東京五輪・パラリンピックの会場建設をめぐり、国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」が2日、労働環境の改善を求める調査報告書を公表した。暑さ対策などが不十分と指摘する内容で、大会組織委員会などにも送付した。

 7月4日~8月2日にかけて6回、団体のメンバー数人が新国立競技場や選手村など6カ所の建設現場を訪れ、調査した。現場に設置された温度計が35度を超える日もあった。暑さ対策で扇風機がついた作業着について、作業員の一人は「下請け会社ごとに違い、支給されているところもあれば、ないところもある。個人で買う人もいる」と話したという。

 8月に東京・有明の建設現場で男性作業員(50)が死亡した事例にも触れ、「労働環境を最優先にし、抜本的な改善に乗り出すべき」と指摘している。事務局長の伊藤和子弁護士は「統一した安全基準もないまま元請け業者任せで、解決に向けた動きが全く見られない。組織委には問題の大きさを自覚してほしい」と話した。