国際柔道連盟(IJF)のマリウス・ビゼール会長が30日、朝日新聞のインタビューに応じ、男子81キロ級で元世界王者のサイード・モラエイ選手(イラン)が、イスラエル選手との対戦を巡って国から出場辞退するよう圧力をかけられていたことを明らかにした。ビゼール氏は来年の東京五輪で、モラエイ選手を難民選手団の一員として出場させたい意向を示した。

 モラエイ選手は東京で開催中の世界選手権で28日、準決勝に進出。逆ブロックでサギ・ムキ選手(イスラエル)も準決勝に進んだ。ビゼール氏によると、その前後に本人やその家族に対しイラン政府側から棄権するよう圧力がかかったという。モラエイ選手は準決勝と3位決定戦に出たが、敗れて5位だった。

 ビゼール氏は、イラン側の対応を厳しく批判。IJFに助けを求めたモラエイ選手は現在ドイツに滞在しているとし、「東京五輪は難民選手として出場してほしい。IJFはできる限りサポートする」と語った。

 イラン政府はイスラエルの存在を認めておらず、2004年アテネ五輪ではイスラエル選手との対戦を棄権した自国の柔道選手に同国体育協会から褒賞金を授与していた。