現地時間28日、イタリア・アルコで開催中のIFSC世界ユース選手権2019はユースB男女とジュニア男子のボルダリング決勝を行い、ジュニア男子の天笠颯太が唯一の全完登で優勝。ユースBでは女子で中川瑠が銀、小池はなが銅、男子で関口準太が銀メダ…


 現地時間28日、イタリア・アルコで開催中のIFSC世界ユース選手権2019はユースB男女とジュニア男子のボルダリング決勝を行い、ジュニア男子の天笠颯太が唯一の全完登で優勝。ユースBでは女子で中川瑠が銀、小池はなが銅、男子で関口準太が銀メダルを獲得した。

 世界ユース選手権初出場、かつ年齢的に最後の出場となった天笠が歓喜の優勝を成し遂げた。小西桂とともに前日の準決勝を通過していた天笠は、壁上を“走る”第1課題に苦戦。しかし徐々に精度を高めていくと、11トライ目にゾーンを、続くトライでTOPを確保した。これで勢いに乗り、第2、第3課題は一撃。最終第4課題は完登者ゼロで競技順が回ってきたため、ゾーン獲得で優勝という場面となった。

 パワーと保持力が要される強傾斜課題を前にトライを重ねてしまうが、呼吸を整えて臨んだ6トライ目だった。研ぎ澄まされた一手がゾーンの細かいホールドを掴んで離さず、そのままTOPへと到達。この課題唯一の完登者となった天笠は雄叫びをあげ、2位以下に2完登差をつける文句なしの優勝となった。これまで国内でも成し得なかったタイトル獲得を国際舞台で果たしてみせた。第1課題をゾーンなしで出遅れた小西は2つの一撃で追い上げをみせたが、表彰台には届かず5位に終わっている。

最終課題を沈めて雄叫びをあげる天笠。国内外を通じて初の優勝を、最初で最後の世界ユースで成し遂げた。

 また、ユースB女子ではゾーン獲得数の差で敗れたものの中川が初出場で銀メダルを、3位に入った小池がリードでの銀に続く今大会2個目のメダルを獲得。同男子では日本勢唯一のファイナリストとなった関口が、こちらもリードでの優勝に続き2個目のメダルとなる準優勝を飾った。

 金1、銀2、銅1を加え、今大会のメダル獲得数を12まで伸ばしたユース日本代表。残す種目の決勝は、現地時間31日に行われる。

ユースB女子でメダルを獲得した中川瑠(左)と小池はな(右)。

ユースB男子では関口準太(左)が準優勝。

<リザルト>

【ジュニア男子】
1位:天笠 颯太/4t4z 20 19
2位:レオ・ファボット(FRA)/2t4z 5 12
3位:ネイサン・マーティン(FRA)/2t3z 3 4
―――――
5位:小西 桂/2t2z 2 2
7位:田中 修太(準決勝進出)

【ユースB女子】
1位:オリアン・ベルトーネ(FRA)/2t4z 3 6
2位:中川 瑠/2t2z 4 3
3位:小池 はな/1t3z 2 14
―――――
7位:小倉 紗奈(準決勝進出)

【ユースB男子】
1位:ニコル・トマス(THA)/3t4z 9 7
2位:関口 準太/3t3z 6 7
3位:グルザイティス・エドヴァーズ(LAT)/3t3z 7 7
―――――
9位:吉田 智音(準決勝進出)
13位:上村 悠樹(準決勝進出)

※左から氏名、所属国、決勝成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

CREDITS

編集部 /

写真

IFSC/Syste van Slooten