柔道の世界選手権は29日、来年の東京五輪のテスト大会を兼ねて東京・日本武道館で第5日があり、男子90キロ級は初出場の向翔一郎(ALSOK)が銀メダルを獲得した。優勝した昨年のグランドスラム大阪で破ったノエル・ファントエント(オランダ)に、決勝で優勢負けした。女子70キロ級で3連覇を目指した新井千鶴(三井住友海上)は、3回戦でバルバラ・ティモ(ポルトガル)に技ありを奪われて敗れた。日本女子がメダルを逃したのは今大会初。昨年2位のマリエーブ・ガイー(仏)が決勝でティモを下して優勝した。

■「何をやっているんだろう……」

 3回戦敗退で3連覇を逃した女子70キロ級の新井は、会場裏で泣き崩れた。「力を出し切れなかった。何をやっているんだろう……」。相手は世界ランク29位のポルトガル選手で世界選手権は初出場。開始1分、払い巻き込みで技ありを奪われると、間合いを取って守りを固める相手に逃げ切られた。「取り返さなきゃと焦って、流れを変えられなかった」。今大会は盤石と見られた世界女王にも、思わぬ落とし穴があった。