<スポーツクライミング:世界選手権>◇最終日◇21日◇東京・エスフォルタアリーナ八王子◇男子複合決勝

男子エースの楢崎智亜(23=TEAM au)が初優勝を飾り、20年東京オリンピック(五輪)代表に内定した。ボルダリングと合わせて2冠を達成。決勝は8人で争い、原田海(日新火災)が4位、楢崎の弟の明智(TEAM au)が5位、藤井快(TEAM au)が6位だった。女子は野口啓代(TEAM au)が同五輪代表に内定している。

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男子のエースが初の五輪切符をつかんだ。楢崎智はスピードで自身の日本記録を更新する6秒159で2位と好発進。ボルダリングで唯一3課題完登の1位、リードで2位と総合力の高さを発揮した。「今年一番の目標を達成できてうれしい。自分でもビックリしたけど、優勝できる感覚があって思ったよりも舞い上がらなかった」と白い歯を見せた。

「万能クライマー」へ進化を遂げている。幼少期に体操で培った柔軟性と高い運動能力を武器に、ダイナミックかつ繊細な動きでいくつもの課題を攻略。東京五輪に向け、苦手課題の克服と好不調の波をなくすために2つのことを大切にした。

(1)基本動作の反復と意識 国際大会で欧州を訪れるたびに大量のホールド(突起物)を購入。最新にいち早く対応するためで既に数百万円を投資した。練習ではホールドを持つ時の手の位置や足の向きなど細部まで意識し、課題に対応する幅を広げた。

(2)想像力と感性 昨夏に「トモア・スキップ」と呼ばれる独自の登り方を考案した。スピードのスタート直後、左側のホールドを使わない直線的な登りで、それまでに比べて0・3秒近く短縮。突然のひらめきが秘策となった。

得意のボルダリングでは今季2度目のW杯総合王者を獲得し、今大会も制した。スピードとリードでも安定した成績を残し、自身でも「何が得意(種目)だか分からなくなってきた」と言うまで実力をつけた。今大会前には五輪代表権を目指すのではなく「世界一を狙う」と宣言。有言実行で1年後の夢舞台の切符をつかんだ。「まだ通過点。世界にどれだけ強いか証明したい」。日本を代表する“ニンジャ”は、頂点だけを目指す。【峯岸佑樹】