大相撲夏巡業が14日、青森県北津軽郡板柳町で行われ、横綱白鵬(34)=宮城野=が“土俵の鬼”と呼ばれたご当地横綱、初代若乃花の得意技「呼び戻し」をよみがえらせた。

 今巡業初めて相撲を取り、幕内琴恵光を指名。豪快に投げ飛ばして2連勝した後、三番目だった。差し手をわざと呼び込み反動を付け、相手の体を浮かせる。すかさず自身の差し手を返してひねって土俵にたたきつけた。

 初代若乃花の代名詞で「仏壇返し」とも呼ばれる大技。白鵬自身、13年秋場所で宝富士相手に16年ぶり幕内で決めたことがある。

 青森は6人の横綱を輩出し、舞の海、安美錦ら個性派もそろう。初代若乃花は同町に隣接する弘前市出身。巡業が行われた北津軽郡は青森でも屈指の相撲どころになる。目の肥えた2000人の相撲ファンを白鵬が幻の技で大いに沸かせた。

 「初代若乃花の地元に来たわけだから。初代若乃花と言えば呼び戻し」とうなずいた。 6歳の時、テレビ番組の収録でモンゴルを訪れていた初代若乃花と会った。その時、もらった日本のお菓子、うまい棒は今も懐かしい思い出として残る。「初めて会った横綱が初代若乃花だからね。縁がある。いい汗かいた」と納得顔だった。

 稽古は“土俵の鬼”が乗り移ったかのような気迫があふれた。上手、すくい、小手投げと何度も相手を倒して6連勝。最後は琴恵光が首を痛めてリタイアした。「番数は少なかったが一番一番の内容が違っていて良かった」。北海道巡業を前に上々の試運転となった。