13日に行われたIFSCクライミング世界選手権八王子のボルダリング男女決勝。女子はスロベニアのヤンヤ・ガンブレットが野口啓代らを抑えて大会2連覇を達成。男子は楢崎智亜が独壇場ともいえるパフォーマンスで2大会ぶりに王座を奪還し、男女とも今年のワールドカップ王者である2人が世界王者に輝く結果となった。以下、決勝を戦った選手たちのコメント一覧。

楢崎智亜コメント(男子優勝)
「ようやく日本で優勝ができた。ボルダリングジャパンカップでも優勝できていなかったので、一番大きな舞台で優勝できてよかった。第1課題を完登した時点でかなり流れが自分に来ていて、第3課題を完登したときにはこれで決まったという感じだった。(前回の優勝との違いは)今回は複合がメインでの単種目の優勝なので、まだそこまで喜べない。決勝は4課題とも得意系ではあったが、第2、4課題は難易度が高すぎてできなかった。アダム(・オンドラ)がゾーンを一つも取れないのは予想もしていなかった。ボルダリングは改めて課題次第だなと思った。複合でどうなるかはわからない。ここで1位を取れたことでこのあとの掛け算がかなり楽になる。このあとのリードとスピードで攻める必要がなくなったので、緊張もなくなってリラックスしてできると思う」
藤井快コメント(男子4位)
「2課題目のゾーンを取れなかったことが表彰台に上がれなかった大きな要因。全課題すごく難しかったので、かなり精神的にきついファイナルだった。世界で一番強いと名高いクライマーのアダムがゼロゾーンで終わったのを見ると、やっぱり難しかったんだと思う。楢崎君しか登れなかったので、ハードな中にも彼の高いポテンシャルを引き出すような課題だったのかなと。指の皮の消耗が激しく、思っていた以上にきつかったが、リードもこれから始まるので集中を切らさないように気を付けないといけない」
土肥圭太コメント(男子5位)
「ここまで誰も登れていない決勝は今まで見ていないので、相当(課題が)悪かったのかなと。海外選手からも『impossible』としか聞こえてこなかったが、自分の実力がまだ足りていないと受け止めている。(今後の抱負は?)ボルダーで最悪の想定よりも良い順位がとれたので、コンバインドの20人に入るのは、嫌な言い方をすると楽になった。スピード、リードで大きなミスがないように、上位を狙うというよりは安定感を出していきたい」
ヤンヤ・ガンブレット コメント(女子優勝)
「チャンピオンになることを目標にしていたので、再度その夢が叶って本当にうれしい。決勝では多くのファンの前でクライミングが楽しめた。2年前に東京でのボルダリングW杯(八王子大会)で勝って、その2年後の今回再度勝利を収められた。東京は相性のいい場所だと思っているので来年も楽しみにしている。明日からのリードは少し疲れているけどベストを尽くして、楽しみたい。日本のファンの前で登るのは楽しいし、会場の雰囲気、音楽や観客の歓声も素晴らしいと思うので、良い戦いができると思う」
野口啓代コメント(女子2位)
「去年の世界選手権も今年のW杯も全部2位なので、またシルバーコレクターを更新してしまった。去年の2位は最後に巻き返せて嬉しいという気持ちがあったが、今年は悔しい2位だった。ヤンヤ(・ガンブレット)も全部を登って優勝したわけではないので、自分が2課題目か3課題目を登れていれば優勝の可能性があった。単純にそこを登る力が足りなかった。私が競技を続けてきた中でもヤンヤほど歴代で強かった選手はいなかった。ボルダーだけじゃなくてリードもできるし、スピードも結構速い。とくにボルダーとリードの2種目は世界最強だと思うので本当にすごい選手だと思う。予選1位通過で準決勝、決勝と2位だったので大会のスタートとしては悪くないと思う」
ショウナ・コクシー コメント(女子3位)
「表彰台に上がれてすごくうれしい。4日前に風邪をひいてしまい、決勝に進めると思っていなかったので決勝に進めてうれしかったし、日本の観客の前登ることはすごく好きなので良かった。決勝課題は面白かったと思う。異なるスタイルの課題で、いくつかはハードだったので手の皮への影響もあったけど、楽しかった。ハード系の課題は得意としているし、多くの観客の前でよいパフォーマンスを見せたかったけど今日に限っては風邪の影響もあって難しかったし、少し残念だった。でも決勝に進出してこの成績には満足している。今はボルダリングは忘れて、明日からのリード、スピードにフォーカスして、コンバインドに出場したい」
倉菜々子コメント(女子6位)
「初めての世界選手権という舞台で決勝に残れたことはすごく嬉しいし、W杯でも決勝に残ったことは1度もなかったのですごく良い経験になった。決勝は予選、準決勝とも全然違って難易度も高く、結果的には0完登だったんですけど、最後まで諦めず1課題、1課題登ることができよかった」

CREDITS

取材・文

篠幸彦、編集部 /

写真

窪田亮