米プロバスケットボールNBAのドラフト会議で日本選手初の1巡目指名を受けた八村塁(ウィザーズ)。その凱旋(がいせん)試合となった12日の日本代表国際親善試合は、チケットが一般販売開始9分で売り切れる盛況ぶりで、5610人の観客が詰めかけた。万単位で集客する野球やサッカーに比べると見劣りするかもしれないが、日本バスケット界にとっては十分価値ある数字だ。

 会場となった千葉ポートアリーナは、八村にとっても思い出深い場所。その試合は昨年5月、ワールドカップアジア1次予選の豪州戦で、代表デビューしたばかりの八村は豪快なダンクシュートをはじめ、チームで2番目に高い24得点をたたきだし、過去日本が一度も勝ったことのない豪州から大金星を奪ったのだった。

 日本バスケット協会によると、昨年の豪州戦はチケットの一般販売から完売までに約1カ月かかっていたところ、今回はわずか9分で完売。22、24、25日にさいたまスーパーアリーナで開催される東京五輪のプレ大会も、各日約1万8千席のうち1万席以上が早々に埋まったという。12日の試合後はさらに売れ行きが伸びているといい、完売に迫る勢いだ。

 かつては3千人規模の会場ですら空席が目立ち、「閑古鳥が鳴いている状態」(協会関係者)だったという。近年盛り上がりを見せているBリーグでも、昨季のB1レギュラーシーズン平均入場者数は3078人。横浜アリーナで開催されたプレーオフ決勝でさえ、昨季の1万2972人が過去最多なのだ。

 日本バスケット史上最高の集客を見込み、協会関係者は「代表人気が高まってきたところに八村効果が加わった。さいたまスーパーアリーナの1万8千席を埋めることができるか、日本バスケット界の実力が試されている」と意気込む。

 12日の試合で両チーム最多の35得点をあげ、ニュージーランドからの勝利に貢献した八村も、「米国まで伝わってきていた(日本バスケットの)盛り上がりを実際に感じられてうれしい」と歓迎する。「協会もスタッフも選手も一丸となって、日本のバスケットを盛り上げていきたい」と結んだ。(松本麻美)