茨城県牛久市出身で、1月に引退した元横綱稀勢の里の荒磯親方(33)が31日、水戸市の茨城県近代美術館であったトークショーに招かれ、自身の相撲人生を語った。会場となった同館エントランスホールには大勢のファンが詰めかけ、立ち見客も出る盛況だった。

 開催中の「手塚治虫展」に合わせて開かれた。荒磯親方は「手塚漫画はほとんど読んだことがない」が、漫画「北斗の拳」の大ファン。特に主人公の宿敵・ラオウが好きで、作中のセリフ「我が生涯に一片の悔いなし」が印象的だという。荒磯親方は「横綱時代には成績が残せなかった部分もあるが、相撲人生には一片の悔いもない」と話した。

 けがで休場が続いたときの心境を聞かれると「食事の味もせず、夜も眠れなかった」と打ち明けた。「稽古はつらかったが、17年間やれたのは稽古のおかげ。指導者になった今も若手に口うるさく言っている」と語った。

 力士を目指す小中高生らの質問にも答え、実演を交えて技のコツを教える場面も。水戸尾曽相撲道場に通う中学2年の高野楓人(ふうと)さん(14)は「けがをした時の気持ちが聞けて良かった。今日のアドバイスを稽古に生かしたい」と話した。(益田暢子)