銅メダルに終わった前回大会後、新婚の妻に明かした気持ちがあった。韓国・光州で28日にあった水泳世界選手権の競泳男子400メートル個人メドレーで、2大会ぶり3度目の優勝を飾った瀬戸大也選手(25)=ANA。4年の時を経て王座に返り咲いた。

 終盤までは2番手以降に大差をつけていたが、最後の自由形で米国選手の猛追を受けた。なんとか振り切って金メダル。「頑張れば、努力は報われるって思いました」。レース後に話した。

 2013年大会で日本選手としてこの種目初の金メダルを取り、15年大会で連覇を達成した。しかし、16年リオデジャネイロ五輪は同学年の萩野公介選手に敗れ銅メダルだった。

 17年5月、飛び込み日本代表の経験がある優佳さん(24)と結婚。新たな気持ちで臨んだ2カ月後の世界選手権でも、メダルの色は銅のままだった。

 大会3連覇を逃して自宅に戻った。優佳さんを前に、つぶやいた。

 「守りに入っていた」

 春に大学を卒業し、社会人としての生活もスタートしたばかりだった。家族を支える責任感、膨らむ周囲からの期待――。それらに応えようとするあまり、銅メダルで満足していた。

 このままでは終われない。優佳さんにきっぱりと告げた。

 「ゴールは東京五輪。ここで気づけて、よかった」

 元々は飽き性で、練習嫌い。友人に誘われれば、早朝練習があっても前夜に家を抜け出していたのが、変わった。暇を見つけては海外のライバルたちの映像をチェックし、寝るときは疲労回復に効果があるとされる衣服に身を包む。競技に対する真剣さが増した。「練習を終えて帰ってくると、顔に自信があふれている」と優佳さんは話す。

 かつては「(萩野)公介と2人で一緒に五輪の表彰台に上がりたい」と語っていた瀬戸選手の目標は、より鮮明になった。「五輪では絶対に自分が金メダルを取る」。東京まで、心はぶれない。(清水寿之)