関東大会、関西大会が終わり、秋に向けてチームそれぞれの夏を迎える。県立上鶴間高校ジュエルズのQB木村遊河(1年)と東海高校トゥルーパーズのOL/DL篠田陽介(2年)は部員が1名でもフットボールを続けている。

7月13日現在、部員がQB木村のみの県立上鶴間高。木村は小学2年生から4年生までFFFCキディ・フロンティアーズでフラッグフットボール、小学5年生から6年生まで川崎リトルグリーンマシン、中学1年生は川崎グリーンライズ相模原でタッチフットボールをプレーしていた。中学校入学と同時にハンドボール部に入部したのを期に、グリーンライズは退部したが、暇さえあればXリーグの試合を見に行っていた。好きな選手はオービックシーガルズのQB菅原俊(法政大)。172センチと小柄ながら正確なパスを次々に決める姿に憧れた。高校は自宅から通えるフットボール部のある高校のみを受験。合格した高校の中で自宅から一番近い県立上鶴間高校に入学した。

フットボール部の部員は0名だったが、「自分が入って部員を増やせばいい」と考え、迷うことなく入部を決めた。練習は週に6日。土日は秋に合同チームを組む松陽高、白山高と一緒に練習しているが、平日は顧問の北村宏樹顧問と二人で練習している。QBの木村に合わせて北村顧問がCとなってセットバックのエクスチェンジの練習をしたり、レシーバーとなってパスコースを合わせる練習をしたり、防具をつけてヒットを受けるダミー役をしている。パスコースを合わせる練習では木村より北村顧問の方が汗を流して練習に取り組んでいた。練習が休みの日でもXリーグの試合を見たり、筋力トレーニングをしに行ったりとフットボールから頭が離れない。7月までにXリーグの15試合以上は観ていた。

木村の目標は高校3年時に単独チームで関東大会に出場することだ。この目標は川崎リトルグリーンマシンで一緒にプレーしており、現在は埼玉栄高のフットボール部に所属している長島秀羽(1年)と『関東大会で戦おう』という約束のためだ。

当面の課題は部員の獲得だ。来年度までに11名を揃えて単独チームでの活動をすることが目標だ。現在は北村顧問が高校のHPで活動報告を定期的に行うなどの勧誘活動を行なっている。

東海高校は愛知県内随一の進学校だ。1学年400名を超える中高一貫教育の男子校で、昨季は214名の卒業生が医学部医学科に進学した。勉学に勤しむ生徒が多く、運動部に所属している生徒は少ない。しかし、OL/DL篠田はフットボールと勉学の両立に挑戦している。

中学時は文芸部だった篠田だが、高校では170センチ84キロの体格を生かして運動部に挑戦したいと考え、フットボール部への入部を決めた。同地区の南山高、海陽学園高は単独チームだったため、公式戦には出場できなかったが、練習試合や合同練習で2校とは対戦した。2校とも中学にフットボール部があるため、同じ学年でも経験の差はあった。しかし、篠田が臆することはなかった。

「1対1でも勝てることはありましたし、これからの練習次第では経験の差を埋めることはできると感じていました」

平日の練習は週3日。井上勝憲監督にシリンダーダミーやハンドダミーを構えてもらい、OLのブロックの練習を行なっている。土日は海陽学園高との合同練習やOBが練習に参加してくれることがある。取材日には井上貢、佐野友哉(共に2001年度卒)、水野誠(2002年度卒)のOB3名が練習に参加し、DLの練習をする篠田のダミー役を務めた。

今春には兄・瑛哉が海陽学園高フットボール部に所属している陣内捷吾(1年)が入部し、部員が2名になった。

篠田は小学校1年時に祖父を病で亡くして以来、医師になりたいと考えるようになった。現在は国立大学の医学部に進学し、フットボールも続けて試合で活躍することを目標にしている。

「1つのことに集中するよりも、もうひとつ頑張れることがあるともう一方も頑張れます」

篠田はフットボールと医学部進学という2つの目標が、やる気の相乗効果を与えてくれているという。

現在はフットボールの基礎的な技術向上に集中して取り組むと同時に練習が休みの日には勉学に励んでいる。

ハドルマガジン8月号Vol.57(7月27日配信開始)は高校生特集です。春季高校優秀100選手『ザバス・ハドルマガジンスーパースター』や関東・関西大会で奮闘した訪問取材記事を掲載しています。

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