東京五輪のハイライトの一つは、初開催される「アーバン(都市型)スポーツ」。東京湾臨海部の青海(あおみ)でスポーツクライミングと3人制バスケットボール「3x3(スリーバイスリー)」、有明では自転車BMXフリースタイルパークとスケートボードが行われる。若者の人気を集める新種目が、新風を吹き込もうとしている。

■BMXパーク 「傾斜、障害を格好良く越える」

 BMXフリースタイルパークは、自転車を操る演技に得点が与えられる採点競技。同フリースタイルには傾斜や障害物がある施設で演技する「パーク」と、平らな場所で演技する「フラットランド」があり、パークだけが東京五輪から実施競技に加えられた。

 選手は1分間の「ラン」を2度行い、複数の審判員が技の難度などを総合的に評価して00・00~99・99で採点。その平均点が得点になる。斜面を利用して高くジャンプし、車体だけを横回転させたり、ハンドルを握ったまま体を車体から大きく離したり。そうした「トリック」を成功させるだけでなく、「スタイル」と呼ばれる全体的な格好良さも採点に加味される。

 4月のワールドカップ(W杯)広島大会で2位になった中村輪夢(りむ)(17)=ウイングアーク1st=が日本のエース格。プロに転向し、年代別の世界一になったこともある。

 東京五輪の国別出場枠で日本は男女各1を持つ。2019年度の強化指定選手は男子6人、女子1人。19~20年シーズンにW杯の準決勝に2度以上進出することなどが選考基準となっている。(忠鉢信一)

■スポーツクライミング 「『三刀流』のバランス、試される」

 東京五輪で実施されるのは、新たに作られた「複合」という競技形式だ。

 15メートルの壁を登って速さを競う「スピード」、5メートルほどの壁に設けられた課題をいくつ登れたかの数を競う「ボルダリング」、12メートル超の壁に設定されたルートをどこまで登れたかの高さを争う「リード」の三つを一人の選手が全てこなす。

 それぞれの順位を掛け算し、総合ポイントを算出。例えば2位、3位、4位なら「2×3×4」で総合24ポイント。値が小さいほど上位となる。問われる能力が違うため、五輪種目になるまで三つ全てに取り組むトップ選手はいなかった。いかにバランス良く強化できるかが鍵になる。

 出場枠は男女とも最大2ずつ。8月の世界選手権(東京・八王子)から枠獲得の戦いが始まる。

 日本はボルダリングのワールドカップ(W杯)国別ランキング6年連続1位で、リードも昨季同2位と世界屈指の強豪国。ボルダリングW杯で今季、3年ぶり2度目の総合優勝を果たした男子の楢崎智亜(ともあ)(TEAM au)や、昨季のボルダリングW杯で初の総合優勝を飾った女子の野中生萌(みほう)(XFLAG)ら、表彰台を狙える選手は多い。

■3人制バスケット 「リング一つを巡る激しい攻防」

 ストリート・バスケットボールの3on3から派生し、2007年に国際バスケットボール連盟の正式種目となった。「3x3(スリーバイスリー)」という名称となり、3人制バスケットとも呼ばれる。

 5人制との違いは一つのリングを巡って争うこと。10分間の結果か、先に21点を奪った方が勝ちとなる。1チーム4人で、3人が出場。交代は自由で審判に申告する必要もない。1回の攻撃は12秒以内で、2点ライン外からのシュートは2点で内側は1点。5人制と比べて選手同士のぶつかり合いに寛容なのが特徴だ。

 日本は3月に男女とも開催国枠での東京五輪出場が決まった。6月のワールドカップでは、男子は14位、女子は13位。落合知也(越谷)、伊集南(デンソー)といった3人制を主体にしている選手に、BリーグやWリーグで活躍している5人制の選手も加わり、強化は始まったばかりだ。五輪代表候補6人程度に絞り、1年かけて遠征で力をつける。

 五輪での実施が決まり、各国とも力を入れ始めたばかりで、勢力図は直前まで変わりそうだ。出場はわずか8チーム。波に乗れば、日本にもメダルの可能性がある。(河野正樹)

■スケートボード 「クールなトリックで競う」

 スケートボードは階段や手すりのような構造物を滑る「ストリート」と、おわん形の斜面などのコースを滑る「パーク」が男女それぞれ実施される。

 東京五輪のルールはまだ明らかになっていないが、ストリートでは選手が階段や手すりを利用してトリック(技)を披露。難易度やスピードなど全体の構成などを審査員が採点する。

 パークはおわん形の斜面を使ってトリックを決め、審査員が採点する。独創性や「カッコ良さ」が評価され、スノーボードのハーフパイプ(HP)のように高い空中技が多い。

 発祥の地とされる米国はどの種目も強いが、日本は10~20代前半の若い選手が活躍。ストリートでは世界最高峰のリーグで昨年3勝を挙げた堀米雄斗(20)=XFLAG=や世界選手権女王の西村碧莉(あおり)(17)=木下グループ。パークでは女子の四十住(よそずみ)さくら(17)=和歌山・伊都中央高=が有力。スノーボード男子HP銀メダリストの平野歩夢(あゆむ)(20)=木下グループ=はパークで出場を狙う。

 東京五輪の出場枠は各種目20で、国際大会の成績に基づく来年6月のランキング上位者などが獲得できる。日本は開催国枠1が与えられている。(照屋健)