かつては世界レベルにほど遠かった水球の男子日本代表(ポセイドンジャパン)が、大きな成長を遂げている。苦しみながらもブラジルを破って今大会初勝利を挙げ、2大会連続での決勝トーナメント進出を果たした。

 日本のたくましさが発揮されたのは第4クオーターだった。3連続失点で10―9と1点差にまで詰め寄られたが、残り1分を切ったところで志賀がだめ押し点。その後は、時間をうまく使って逃げ切った。大本監督は「勝ち切れたところが大きい。最近は強豪と接戦を演じられるようになり、試合の終わらせ方を覚えた」と話した。

 日本男子は2016年リオデジャネイロ大会に出るまで、32年間、五輪の舞台に立てなかった。12年ロンドン大会では世界最終予選への出場権を得ながら、五輪出場は難しいと日本水泳連盟に判断され、派遣を見送られたほどだった。

 当時から比べると、水球の本場欧州のリーグでプレーする選手が増え、チームのレベルが大きく上がった。今回の代表メンバー13人のうち、志賀ら4人は今大会の直前までハンガリーやフランス、ルーマニアのクラブで腕を磨いてきた。

■目標は8強以上

 12年から指揮を執る大本監督の采配も、海外勢を相手に威力を発揮している。自陣ゴール前を固める定石の守備ではなく、前線からボールを奪いにいき、逆襲から得点を狙う戦術だ。17日の1次リーグ第2戦ではリオ五輪銅メダルのイタリアに7―9と善戦し、「100年は勝てないと思っていたイタリアに、次やれば勝てるかもと錯覚できるところまで来た」と誇る。

 日本は前回17年の世界選手権で過去最高の10位だった。今大会の目標は8強以上に進むことだ。大本監督は「世界のトップ6あたりに食い込めれば、東京五輪でメダルの可能性も出てくる」と見る。最初の関門だった1次リーグを突破し、主将の大川は「ここからは格上の相手しかいない。全力を出して上位を狙いたい」と意気込む。(清水寿之)