韓国で開かれている水泳世界選手権で13日、男子シンクロ板飛び込み決勝で、日本の寺内健(38)、坂井丞(しょう)(26)組=ともにミキハウス=が7位になり、日本水泳連盟の規定で2020年東京五輪の代表に内定した。2人は全競技を通じ、個人としては東京五輪の日本代表内定第1号となった。寺内、坂井両選手は2大会連続での五輪出場で、寺内選手は馬術・障害飛越で6大会連続出場の杉谷泰造選手と並び、夏季五輪の日本選手で最多タイの通算6回目の出場となる。(光州〈韓国〉=清水寿之)

■寺内、本物の「レジェンド」をめざし

 東京五輪の代表内定第1号は、飛び込み界で「レジェンド(伝説)」と呼ばれる38歳の大ベテランだった。13日に韓国・光州で行われた水泳世界選手権の男子シンクロ板飛び込みで、坂井丞(しょう)選手と組んで7位に入った寺内健選手(ともにミキハウス)。日本選手で最多タイとなる6回目の夏季五輪出場を決めた。

 「この年齢までやるとは、少しも思わなかった」

 高校1年生だった1996年のアトランタ大会で五輪初出場。2000年シドニー大会の高飛び込みで5位、板飛び込みで8位といずれも入賞した。自身4度目の五輪となる08年の北京大会後に一度は引退するも、10年に復帰。「五輪の魅力にとりつかれた」

 しかし、そこからの道のりは苦難の連続だった。12年ロンドン大会は切符をつかめず、連続出場が途切れた。16年リオデジャネイロ大会で再び五輪の舞台へ戻ったが、予選落ちした。

 「ロンドンに出ていたら満足してやめていたかも。そして今は、リオのリベンジをしたい」。悔しさを晴らしたい一心が、40歳に近づくなかでも現役を続けている大きな理由だ。

 練習をすればするほど技術が伸びた若い頃とは、違う。「オーバーワーク直前まで自分を追い込まないと、パフォーマンスが上がらない。ギリギリのところまで戦わないといけない」。この日も、右肩にはテーピング。あちこちが痛む体と向き合いながら、美しい演技を追究してきた。

 世界を見渡しても、飛び込みで40歳目前まで第一線で活躍する選手はほかにいない。ただ、「レジェンド」と呼ばれるのを、本人は認めない。「僕の知っているレジェンドは、柔道の野村忠宏さんやスキージャンプの葛西紀明さん。何大会も出てメダルを取った人たち。自分はそこには届いていない」

 五輪を決め、改めて誓った。「今までで一番の結果を求め、この1年を過ごしたい。メダルを取るためにもっと強くならなければならない」。日本飛び込み界初の表彰台へ。本物のレジェンドになるための挑戦が、ここから始まる。(有田憲一)