山形大会の始球式のマウンドには、今年の全国高校ボクシング選抜大会のミドル級で3位入賞を果たした山形南の石井百迅(ももとき)君(3年)が立った。

 左手にはめたグローブはボクシング用。ワインドアップで投じた1球が捕手のミットに収まると、スタンドからは大きな拍手が送られた。

 見事な投球を披露した石井君だが、実は野球経験はないという。始球式が決まってから同校の野球部員に投げ方を教わった。最初の頃は球が高めに浮いた。「低く投げるにはたたきつけるように投げるとよい」との助言を胸に、この日のマウンドに上がった。

 投げ終えた石井君は「ストライクが入って良かったけど、置きに行ったような球だったかな」とはにかんだ。

 石井君自身もアスリートとしてトーナメントの難しさは知っている。「甲子園には県から1校しか出られない。全ての思いをぶつけて悔いの残らないように戦ってほしい」と選手たちにエールを送っていた。(鷲田智憲)