2026年冬季五輪の開催地に決まったイタリアのミラノ・コルティナダンペッツォとゆかりのあるのが、国際オリンピック委員会(IOC)名誉委員の猪谷千春さん(88)だ。24歳のときに挑んだ1956年コルティナダンペッツォ冬季五輪のアルペンスキー、男子回転で銀メダルを獲得した。冬季大会では日本人初のメダリストだった。

 今は名誉委員の肩書なので、一票は投じなかったが、「コルティナという自分にとって懐かしい土地で再び五輪が開かれるのはうれしい半面、複雑な気持ちもあります」と吐露した。

 「イタリアにとっては3度目だけれど、スウェーデンは一度も体験がない。小さな国だけれど、歴史的に冬季五輪でメダルを獲得してきた実績はナンバーワン。そろそろ、スウェーデンにやってほしいな、という気持ちもあるから」

 IOC副会長を務め、14年冬季五輪では立候補都市を視察して報告書を作る評価委員会の委員長を任された経験もある。

 「たしかに、政府、自治体の財政保証や市民の支持率など、データを見るとイタリアの方が有利なのは間違いないけれど……。スウェーデンの人々が冬季競技を愛する気持ちも知っているし。うーん、だから複雑な心境ですね」と話した。(スイス・ローザンヌ=稲垣康介)