ちょうど1年前、崖っぷちにあった日本バスケットボール界を救ったのは彼だった。米プロNBAドラフトでウィザーズから1巡目9位指名を受けた八村塁(21)。男子日本代表が44年ぶりに五輪出場権をつかむ道を切り開いた。

 昨年6月、チームは2020年東京五輪の出場権がかかるワールドカップ(W杯)アジア1次予選で4連敗し、次のオーストラリア戦に負けたら予選敗退という危機的状況だった。そこで代表に初合流したのが、すでに全米大学体育協会(NCAA)1部のゴンザガ大で活躍していた八村だ。

 当時20歳の若者を、日本協会は期待を込めて「希望」と呼んだ。日本がこれまで一度も勝利したことがない格上の豪州を相手に、持ち前の攻撃力で対抗。代表デビュー戦で24得点を挙げ、歴史的勝利の原動力となった。

 そこから始まった快進撃で、男子代表は13年ぶりのW杯本戦出場権を獲得。今年3月には、44年ぶりとなる五輪出場も決めた。「塁(八村)の存在が代表を変えた」。代表の先輩選手たちは、そろって年若い後輩への敬意を口にした。

 「NBA入りと日本代表、両方が僕にとっては大事な『柱』。NBAで技術を磨いて、日本代表を世界の舞台で勝たせられる選手になりたい」と八村。期待の新星として、その輝きは増すばかりだ。(松本麻美)