米プロバスケットボールNBAで、全米大学体育協会(NCAA)1部・ゴンザガ大の八村塁がドラフト1巡目指名を受けた。日本選手で初の「快挙」だ。

 NBAドラフトで、全30チームが指名できる新人は2巡目60位まで。一方、指名対象となる選手は米国内に限らない。世界各国のエリートたちの中から八村が1巡目指名を受けたという事実が彼の実力を物語る。

 2004~05年シーズンに日本選手で初めてNBAの公式戦に出場した田臥勇太(現・Bリーグ栃木)は、若手の登竜門・サマーリーグなどで実績を重ねてサンズとの契約にこぎ着けた。「僕の時はドラフトなんて(ハードルが高く)選択肢にもなかった。新しい時代が来たんだなと実感する」と話す。

 18~19年シーズンに日本選手2人目としてグリズリーズでプレーした渡辺雄太は、ジョージ・ワシントン大に所属していたがドラフトにかからず、サマーリーグを経てNBAにたどり着いた。

 1981年には、身長228センチと体格に恵まれた岡山恭崇氏(当時・住友金属)が日本選手で初めてNBAドラフトで指名を受けている。ただ、現在のような指名人数の制限はなく、8巡目の171位。「本契約を前提にしたものではなく『キャンプに参加してみないか』という程度の指名だったと思う」と岡山氏は振り返る。住友金属が難色を示し、交渉は成立しなかった。

 今回の八村の指名について「自分の時とはまったく価値が違う。スターになりうる素質を期待されているからこその1巡目」と話す。

 八村の場合、NCAA1部の強豪・ゴンザガ大で今季は全米選手権8強に入り、最も秀でたスモールフォワードに与えられる「ジュリアス・アービング賞」を受賞するなど、すでに多くの注目を集めてきた。認知度は、日本よりも米国での方が高い。

 ドラフト会場では、有望選手だけが招待される「グリーンルーム」で指名を待った。チームから嘱望されて入るNBAで競争を勝ち抜き、どんな活躍が見せられるか。新星・八村の戦いはここからが本番だ。(松本麻美)