2019年のメジャーリーグは、ホームランが止まらない。

 総ホームラン数が史上最多だった2017年の6105本を上回る勢いで、全米の空を白球が飛び交っている。そこで開幕から今日までの、ホームランにまつわる事件をまとめてみた。(成績は6月12日時点)

1.ドジャースが開幕戦で8本塁打

 今年のメジャーリーグは、イチローの引退シリーズとなった3月20、21日の東京ドームで幕を開けた。20日にピスコッティ(アスレチックス)が2019年の第1号を放ったのを皮切りに、東京ドームの2試合だけで7本が飛び出した。

 やはりメジャーリーガーにとって、日本の球場は狭いのか……?

 ところが3月28日の米国開幕戦では、ドジャースがダイヤモンドバックスを相手に8本塁打(ピーダーソン2、ヘルナンデス2、バーンズ、シーガー、マンシー、ベリンジャー)。開幕戦としては史上最多の本数で、空前のホームランイヤーが始まった。

2.イエリッチが開幕から4試合連発

 3月31日、昨年ナ・リーグMVPのイエリッチ(ブルワーズ)が開幕から4試合連続ホームラン。これは史上6人目の記録となり、しかもこの試合では自らサヨナラ二塁打を放って花を添える。その後もイエリッチの勢いは衰えず、4月のうちに史上最多タイの14本。現在25本と、両リーグトップを走っている。

3.ベリンジャーも4月のうちに14本

 イエリッチに負けじと、2017年ナ・リーグ新人王のベリンジャー(ドジャース)も同じく4月中に14本を放つ。その間は打率も.431と絶好調で、4月中に97塁打というメジャー新記録を樹立した。4月21日のブルワーズ戦では右翼の守備で、イエリッチのフェンス際の打球を好捕。ライバルのホームランを、自ら阻止した。

4.マリナーズが開幕から20試合連続ホームラン

 東京ドーム開幕戦でサンタナが満塁弾を放って以来、マリナーズでは毎試合必ず誰かがホームランを打った。

 4月11日にはゴードンが1号を放ち、ついにチームとして開幕15試合連続ホームランのメジャー新記録。好調な打線に引っ張られるように、マリナーズは開幕15試合で13勝を記録した。しかし、翌16試合目から5連敗を喫し、4月16日には連続ホームラン記録こそ20試合まで伸ばしたものの首位陥落。そのまま下降を続け、今では最下位に沈んでいる。

5.ギャロが単打100本よりも先に100本塁打

 5月8日に25歳のギャロ(レンジャーズ)が通算100本塁打を達成したが、この時点で通算シングルヒットは93本。単打100本よりも先に100本塁打に到達するという、史上初の記録になった。

大谷翔平も流れに乗っている。

6.サンチェスがヤンキースを救う

 ジャッジ、スタントンら、主力が開幕から相次いで故障離脱したヤンキース。そんな危機を救っているのが、正捕手サンチェスだ。

 6月1日のレッドソックス戦で18号を放ち、早くも昨年の自身の本数に並んだ。現在20本で、リーグトップのエンカーナシオン(マリナーズ)を1本差で追う。捕手でホームラン王となれば、1970、72年のベンチ(レッズ)以来2人目の快挙だ。ヤンキースはおびただしい数の故障者を抱えながらも、レイズと首位争いを演じている。

7.ナショナルズが4者連続ホームラン

 6月9日、ナショナルズがパドレス戦で4者連続ホームランを記録。同点の8回にケンドリック、ターナー、イートン、レンドーンが、わずか7球の間に続けざまに打った。これは史上9度目で、2年前に同じくナショナルズが記録して以来の出来事だ。

8.スーパールーキーの出現

 今年メジャーデビューを果たしたルーキーたちが、いきなりかっ飛ばしている。20歳のゲレーロJr.(ブルージェイズ)は5月14日に初ホームランを含む2発を放ち、ここまで7本。また、メッツの24歳アロンソは22本で、イエリッチに次ぐリーグ2位。ブレーブスの22歳ライリーも、5月15日にデビューして1カ月も経たないうちに9本を放った。

 そしてアストロズの21歳アルバレスは6月9日のデビュー戦で初ホームランを放つと、続く2試合目でもホームラン。新人がデビューから2戦連発は、球団史上初めてのことだった。

9.1試合で13本

 6月10日のダイヤモンドバックス対フィリーズでは、両チーム合わせて史上最多13本のホームランが飛び出した。

 1回表にダイヤモンドバックスが1番ダイソン、2番マルテ、3番ペラルタと先頭から3者連続ホームランを放つと、その後はダイヤモンドバックスが5本(エスコバル2、バルガス2、アビラ)、フィリーズが5本(キンガリー2、セグラ、ホスキンス、ブルース)を加えて合計13本。試合は13対8で、合計8本塁打のダイヤモンドバックスが勝った。

10.大谷翔平が止まらない

 昨年10月に右肘のトミー・ジョン手術を受けて、今季は打者専念。5月7日に初出場を果たすと、6月12日までに7本のホームランを放つ。特に菊池雄星(マリナーズ)から6号、前田健太(ドジャース)から7号と、1シーズンで2人の日本人投手からホームランを放った初めての日本人打者となった。出場30試合で7本は、104試合で22本だった昨年に近いペースだ。

(「Number Ex」田村航平(Number編集部) = 文)